2270年代:OSTO議会の方針決定
1. 背景
• 23世紀初頭、L2・L3コロニー群の建設が軌道に乗り、宇宙社会は自給的経済圏を確立し
つつあった。
• 宇宙人口は3500万人規模に達し、技術力・産業力は地球圏全体を凌駕し始めていた。
• 一方で地球は、第三次世界大戦後の 外縁部(ユーラシア内陸・北米中央・中東欧・アフ
リカ中部) の荒廃が放置され、依然として「空白地帯」として不安定要素を抱えてい
た。
ここで浮上した議題が:
1. 後背地(地球外縁部)の安定化
2. 火星探査・植民への本格的着手
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2. 非公式協議(秘密会議)
• 名古屋のOSTO本部で、日本・オーストラリア(日豪)代表を中心に非公式会議が開催
される。
• 表向きの議題は「外縁部復興事業」だが、裏の狙いは 高天原の独立阻止。
• 結論:
• 「高天原に巨額の支出を課す」
• 「その見返りに火星開発主導を認める」
• これにより、高天原は「夢の果実」を手にしつつ、財政的に身動きが取れなくなる。
※スペイン・ポルトガルは「立地提供国」として呼ばれ、ジブラルタル宇宙基地計画に賛
成。復興の美名に乗せられる。
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3. OSTO議会での公式決定
2272年、OSTO総会(名古屋)において以下の方針が採択される:
1. 地球外縁部開発計画
• ジブラルタル・フロリダに大型マスドライバー基地を建設。
• これを拠点に外縁部への物資・人員輸送を整備。
• 名目上は「欧州復興・アメリカ再建・アフリカ安定化」のため。
2. 火星開発推進
• 探査・前哨基地建設・初期居住実験を進める。
• 高天原政府に主導権を付与し、「人類の宇宙文明の先頭に立つ」役割を認める。
3. 財政分担
• 名目は「全加盟国の共同負担」。
• 実態は高天原が7割以上を拠出。
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4. 表の物語(正史)
• 当時の宣伝:
• 「人類は宇宙と地球の両輪を進め、火星と地球外縁を同時に開拓する!」
• 「高天原は人類の旗手として火星を切り開く!」
• 高天原国民は歓喜に沸き、メディアも連日「火星進出の夢」を報じる。
• ジブラルタル基地は「欧州復興の象徴」として扱われる。
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5. 裏の実態(裏史)
• 日豪ら地球本部は「高天原に夢を与え、同時に財布を空にさせる」計画を仕込んでい
た。
• ジブラルタル基地も欧州復興の象徴ではなく、単なる輸送拠点+後背地安定装置。
• 本部の意図を知る者はごく一部に限られ、議会の大多数は「美談」として信じていた。
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6. 歴史的意義
• この決定により 火星時代の幕開け が訪れる。
• 同時に高天原は、栄光と引き換えに 財政的桎梏 を背負う。
• 後世の史家は「この決定こそが高天原の栄光と没落の起点だった」と評する。
…
まとめると:
• 正史:「人類の夢と協力の黄金時代」
• 裏史:「高天原を縛るための日豪主導の冷徹な策略」




