表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/41

1-10 ゲームの勝者と脱落者の末路

この章の終わりになります。

生き残った者達が知ることになる待ち受ける敗北者の末路が表現が出来れば幸いです。


 ただ今、不良三人組の操る巨大ゴーレムを相手にする巧実は背後にいた敵を一刀両断。

 倒された一体を見て残り二体の敵巨大ゴーレムは、殺気に満ちた巧実の操る巨大ゴーレムを見て警戒するように各々の手持ち武器を身構える。

 巧実の操る巨大ゴーレムは、目の前にいる残り二体の敵ゴーレムを見て次は誰が襲い掛かるか大薙刀を構える。

 その構える姿に強者のオーラを醸し出し、相手二体に恐怖という与えている。

 二体の敵ゴーレムは、身構えるように武器を盾にして巧実の操る巨大ゴーレムが来るのを待ち勝機をうかがう。

 両者が動かず身構えている様子は、時代劇でよく見掛ける先に動いたら負ける雰囲気が漂い異様な静寂に包まれる。

 そんな静寂の中、一発の砲撃が敵の一体の背後に当たり思わず動いてしまった。

 その敵一体の動いた隙を逃すことなく巧実の操る巨大ゴーレムが一刀両断して倒すと、残り一体に標準を合わせるように周囲を気にする素振りを見せる。

 チャンスと思ったのか、敵のゴーレムは武器を真上に振り上げ襲い掛かってきた。

 ところが、巧実の操るゴーレムは相手の後ろ襟を掴んで盾にする。

 盾にされた敵巨大ゴーレムは、砲弾を一発受けてしまい頭部がなくなる。

「だから、足手まといになるから絶対動くなと言ったのにっ!」

 と言って、砲弾の放ったところへ目を合わせる巧実。

 砲弾の放った場所には、宗明が変身する装甲偵察車が砲塔を向けている。

 当然、戦闘偵察車に乗った女子三人組が砲撃している。

「彩ちゃん、ちゃんと狙いを定めないとダメってっ!」

 と言う早希に、言い訳気味に反論する彩。

「だって、メカ音痴のボクに砲撃なんて無理だって言ったのにーっ!」

 紬久美は、ケンカに発展しそうな早希と彩を宥めるように仲裁する。

「取り敢えず、一発当たったことだしヨシとしましょ! 今度は、私が一発当てますから」

 ところが、機嫌の悪くした巧実は女子三人組に、

「その助太刀、多分不要だから」

 と言って最後の敵巨大ゴーレムを真っ二つに一刀両断してアッサリと倒してしまう。

 こうして、拠点の段々畑を荒らした敵三体の巨大ゴーレムは巧実の操る巨大ゴーレム一体に撃退されてしまう。

 残されたのは、敵巨大ゴーレムの残骸と戦闘で傷付いた世紀末風の衣装を着た不良三人組。

 巧実は搭乗していた巨大ゴーレムから降り、刃渡りの巨大な大薙刀を肩に担ぎ巨大ゴーレムを操った不良三人組にゆっくり歩み寄ってくる。

 同時に、巧実が操った巨大ゴーレムは霧のように消えてしまう。

 そこへ、降車したばかりの女子三人組が巧実の所へ駆け足でやって来て不良三人組を追い詰める。

 歩み寄る女子三人組を見て複雑な表情を見せる巧実だが、本題は拠点を襲撃した不良三人組の目的が何か知る必要があり薙刀の矛先を向けて尋問する。

「さて、質問に答えて貰おうか。俺の拠点を荒らした目的は? そして、お前達が言う救世主メシア様とは一体誰か?」

 と言って歩み寄る鬼神の巧実に、便乗するように女子三人組が不良三人組を取り囲む。

 不利な状況で身を寄せ合う不良三人組、恐怖の余りに一人の不良が答えようとした。

 そのとき、何故か雲一つ無い青空から雷雲漂う怪しい天候に突然変わる。

 雷鳴が耳に入った瞬間、危険を察知した巧実は女子三人組に警告する。

「不味い、デカい雷が落ちるっ! 全員、この場から離れろっ!」

 巧実の警告を聞いた女子三人組は、急いで不良三人組のいる場所から脱兎の如く離れる。

 腰が抜けたのか、不良三人組は身を寄せ合ったまま動くことが出来ない。

 無情にも、一筋の稲光が落ち不良三人組は雷を諸に打たれてしまう。

「救世主様っ! 今一度っ、今一度だけチャンスをーっ!」

 とリーダー格が叫ぶが、強烈な落雷は無情にも不良三人組を焼き殺す。

 その光景に巧実は、手遅れと判断して強烈な落雷に打たれる不良三人組を見守ることしか出来なかった。

 一分後、雷雲漂う天候が青空へと一瞬に変わり巧実と女子三人組が歩み寄ると、不良三人組の姿はなく落雷の黒焦げた跡のみで完全に消滅している。

 疑問に思う巧実だが、現実世界の背後に異様な殺気に気づき恐る恐る振り向く。

 すると、背後にはジーンズ生地のエプロン姿の香苗の姿が仁王立ちで立っていた。

「巧実っ、トイレから帰ってこないと思ったら部屋でゲームをしていたの?」

 と言って鬼の形相の香苗に、慌てふためきながらゲーム機を隠して隠そうと必死な巧実。

「ちっ、ちがうよっ! チャットが貯まってたから返信していただけっ!」

 だが、気にする素振りを見せない香苗は巧実にお使いを命じる。

「それより、店で使っているソースが残り一本だから業務スーパーに行きなさいっ! 電動自転車デンチャリで行けば目と鼻の先でしょうっ!」

 香苗からの買い出しを聞いて困惑する巧実は、何とかして回避しようと模索する。

 しかし、鬼の形相の香苗には言い訳とした聞こえない。

「今すぐ行きなさいっ! お客様、待たせるわけにはいかないからっ!」

 と部屋中に広がる香苗の怒号を聞いて、身の危険を察知した巧実は仕方なく電動自転車で業務スーパーへと向かうのであった。

 夕方、業務スーパー帰りの巧実の電動自転車のサドルの後には業務用ソースが箱一つ固定されている。

 重い足取りで家に戻る巧実だが、帰宅途中で奇妙の光景を目の当たりにする。

 同じ頃、ゲームの世界に取り込まれてしまった女子三人組は何とかして脱出する手段を話し合いで模索する最中。

 話し合いの中、彩は一つの提案を持ち掛ける。

「もしかしたら、自滅してゲームオーバーすれば出られるかなあっ?」

「それって、どういう事なのっ? 詳しく説明して」

 と言って耳を傾ける紬久美に、自信が無いながらも自分の主張をする彩。

「ボクの考えだけど、自滅すればプレイする必要がなくなる。そうなれば、この世界から解放されると思って」

 彩の主張を聞いて賛同する早希だが、問題はどのようにして自滅すればいいのか疑問に思い話し掛ける。

「でも、生きてゲームの世界から解放されると仮定してよ。敵モブに態とやられても痛そうだし、それに自殺しようとしたら怖くて躊躇しそうだから」

 早希の疑問を聞いて、確かにと思い悩む紬久美と彩。

 そんな中、女子三人組の話し合いに割って入るように巧実は警告する。

「悪いけど、何らかの形で自滅する提案。正直、実行しない方が賢明だ」

 と言って、携帯ゲーム機のカメラ機能で撮影した現実世界での出来事を女子三人組に見せる巧実。

 女子三人組は、電柱付近で不良三人組が座り込んで寄り添う光景を目の当たりにする。

 虚ろな目で焦点が定まらない不良三人組は、ヨダレまみれでパクパクと動かすだけの口は意味不明のことを言い出すのみ。

 まるで、廃人のように精神は完全に狂っている状態の不良三人組。

 その一人が、天を仰ぎうわごとを呟く。

「メっ、メシアさま……。もう一度だけ……」

 何者かが口封じをしたと憶測しながら撮影を続ける巧実は、恐怖に震えながらも都市伝説の続きがある事を思い出す。

「そう言えば、ゲームをプレイして行方不明の人が発見されたとき廃人のようになっていたことをウワサで聞いたことが……」

 巧実のウワサ話を聞いた女子三人組は、ゲームオーバー=廃人となる恐怖を知る。

 リスクを知った女子三人組は、提案した自滅案を実行することはなかった。

 その後、店の手伝いから解放された巧実が女子三人組と合流。

 合流した頃は夜中を回りヘトヘトに疲れているが、休む暇無く先程の出来事を振り返る巧実は女子三人組に行うべき事を提言する。

「まずは、拠点地上の段々畑の復活が最優先。今回の事件解決の手掛かりを探す必要があるけど、今はレベル上げで能力と武器強化を優先ってとこだな」

 巧実の提言に納得する女子三人組、リーダー役の紬久美が代表して指示を出す。

「あのチャット、絶対に「YES」のアイコンに絶対に触れちゃダメ。現実世界の情報を知ることの出来るのは、今あなた一人だけだから」

 静かに頷き了承する巧実だが、紬久美が意外な事を提言してきた。

「ねえっ、ここから先は苗字じゃなく名前で呼び合わないっ?」

 紬久美の意外な提言を聞いた瞬間、戸惑いを隠すことが出来ず困惑する巧実。

 そんな中、会話に割って入るように宗明が泣き言のように訴える。

「おーいっ! この姿、いつまでなんだよーっ!」

 宗明の訴えを聞いた瞬間、「あっ」と声を揃えて言いそうなくらい気がつく四人。

 巧実は、宗明の変身を解除するべく地下拠点から出る巧実であった。

 翌朝、YouKユーキエンタープライズの宇喜多ウキタ副社長の口から新作ゲームの販売延期の発表のニュースをネットで知る巧実は他人事のように思う。

 このニュースが、後に大騒動に発展することを今は知る由もなかった……。

ご覧いただき有り難うございます。

次回は来週の火曜日の予定にしています。

次回は番外編です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ