ログNo.16 驚愕の事実!痴女監獄の正体‼︎
令和4年5月18日20時投稿
なんだか獄内がざわついて落ち着かない。看守たちがヒソヒソと話し、いつもと様子が違う。
なんだろう?
そう言えば、もう夜の10時なのにミカちゃんが帰って来ない。今日、門限を過ぎるとは聞いてない。多分、所に届けも出していないだろう。これと関係あるのかな?
アケミさんと不安げにしていると、檻の前を正太郎くんが通りかかった。
「正太郎くん!なにかあったの?」
「う、うん、今ちょっと話せないんだ。ゴメン。あとでまた来るよ」
正太郎くんがあたしを避けた⁉︎これ、タダごとじゃないよ!
「わたしが探ってくるわ」
そう言ってアケミさんか檻を出て行った。アケミさん気をつけてね。
ミカちゃんとアケミさんを心配しながら、しばらく待っているとアケミさんが帰って来た。
「事情はだいたい分かったわ。箝口令が敷かれているみたいだけど、看守の一人にわたしの大人の魅力をチラつかせて口を割らせたわ」
「それでなんだったの?(この際細かいことにはツッコまないでおこう^^;)」
「…ミカちゃんとカンちゃんが駆け落ちしたんだって」
「!」
駆け落ち!
最近、ミカちゃんとカンちゃんがなんかお互いを思い過ぎてピリピリしてるなーと思ってた。けど、そこまで思い詰めてたか。まさか駆け落ちとは!駆け落ちって脱獄ってことだよね…
ここにいたら、ホントに非リアのパラダイスで、思う存分恋愛ごっこを堪能できる。でも…
ここは監獄、カゴの中の鳥だ。誰かに保護された上でのパラダイス。恋愛ごっこ以上にはならない。やっぱり囚人は囚人なのだ。
あたしも正太郎くんと次のステージに行くためにはそこをクリアしなければいけない。
とにかく、ミカちゃん&カンちゃんとコンタクトしよう。だけど、さっきからLINEは既読にならない。TELしても出ない。どうしたらいいかな…
「ミカちゃんと直接会って、どう決着をつけるか話するしかないよ。なんとか会えないかな」
「今、看守たちはピリピリしてるし、外に出るのは難しいかな…」
「そうだわ!こんなときこそアケミさんの大人の魅力よ!」
「そうね。その手があったわね。私に任せておいて」
檻を抜け出し、廊下で出会った看守も出入獄ゲートもアケミさんが大人の魅力を発揮すればなんなく通り抜けられた。
さて、ミカちゃんカンちゃんはどこにいるんろう。どうすれば会えるかな?
「囚子ちゃん、なにか心当たりない?」
「そうねえ。多分、二人が初デートしたって言ってた丸山公園あたりにいるんじゃないかって気がするんだよね」
「よし、行ってみましょ!」
はたして、二人はいた。そのベンチでツーショットしたらカップル認定とされている恋人たちに人気のスポットでうなだれていた。
「ミカちゃん!」
「アケミさん…囚子ちゃん…」
「心配したよ」
「ゴメン、ありがと…」
やっぱり駆け落ちしたと言っても、後先考えてないか。こんなに簡単に見つかるようじゃね。
「牢屋はどうなってる?」
「蜂の巣をつついたような大騒ぎ…にはなってないけど、それなりに動揺してる」
「そう…」
「そこまでだ!」
「!」
「しまった尾けられてたか‼︎」
「ダメじゃん!囚子‼︎」
「ゴメン」
あたしたちは数人の男たちに囲まれていた。それは看守の男の子たちとは一風異なる人種だった。
看守はあくまで“男の子”。少年と言ってもいいくらいだ。
いま、あたしたちを取り巻いているのは、大人の男たち、“おじさん”と言ってもいい。でも、そんなに悪人風でもない。不思議なことに。
「イタズラが過ぎましたね。帰りましょう」
「ヤだ!」
「なにか不服があるんですか?あの場所に」
「このままじゃ私たち結ばれないジャン!」
「分かりました。善処しますので、とりあえず帰りましょう」
この状況で善処か…脱獄だよ…今現在無期懲役なんだから、これより上は死刑ってとこなのに。善処って…
「お嬢様も帰りましょう」
「!」
はっ?あたしがお嬢様⁉︎お嬢様てどゆこと⁉︎なんか状況がわけわからん!
男たちに囲まれて本気で抵抗することもできず、あたしたちは監獄へ帰った。というか連行された。
監獄の中の普段足を踏み入れたことのないエリアに連れて行かれた。そして、“囚人立ち入り禁止staff only”と書かれた部屋への入室を促された。
その部屋は裁判所の法廷を模したモノ???
一段高い位置に役人が座るようなスペースがあって、偉そうな人が座っている。その下のスペースで裁かれるべくあたしたちは立ちつくした。
こう言うと皆さんは冷たい殺風景な雰囲気を想像されるかもしれませんが、さにあらず。
法廷というよりは、閻魔さまが罪人を裁くスペース。ちょっと悪ふざけした作り物のような雰囲気が漂っている。遊びっぽい。
偉そうな人が言った。
「あなたたち、脱獄しちゃったんですね。どうしてか理由を聞かせてください」
「わ、わたしたち罪なんか犯してないよ。冤罪じゃないの‼︎」
ミカちゃんが声を張り上げた。精一杯の虚勢って感じだ。
「ここでの暮らしはとても楽しかったはずです。どうして脱獄なんか企てたんですか?」
偉そうな人は繰り返す。
「ボク達…このままじゃダメなんです!ここはとても幸せだけど…カゴの中の鳥はイヤなんです。自分の足で立ちたいんです!」
カンちゃんが言う。そうだ。ここは確かに幸せだけど、それだけじゃダメだ。
「そうですか…与えられた幸せでは満足できないと…」
偉そうな人はしばらく考えると
「わかりました。おい、監獄長にお出ましを願いなさい」
監獄長!ついにボスキャラの登場か!どんなヤツなんだろう。この痴女監獄という不思議な空間の秘密を問い詰めてやらなくっちゃ。
するとフィに部屋の照明が落ちた。そして、正面にスポットライトが当たり、床からドライアイスかなにかのスモークが湧き出し始めた。なんだこれ⁉︎
「監獄長のおなりいいい!」
スポットライトの中に人影が現れた。こいつが監獄長か。で、でも、この人は…
「パパ‼︎」
その人は…あたしのパパだった!
「いかにも。私が当監獄、監獄長・籠野武雄である」
「ど、どうしてパパが…」
聞きたいことはたくさんあるはずなのに、頭がパニックになって言葉にならない。
「囚子、元気でやっておるか」
パパの方から語り出した。
「君らもうすうす感じているだろうが…ここは正式な監獄じゃない」
やっぱり。でも、どうして?どうしてパパが?疑問だらけだ。パパの語りを待つ。
「囚子、お前は高校生にもなって、男の子と仲良くなることができなかっただろう」
「そ、それがなによ!」
「世の中にはそういう恋愛コミュ障みたいな子がたくさんいる。ワシはそれが歯痒くてのう…」
「だから、こんな監獄をつくったていうの⁉︎」
「そうじゃ。ワシは世界中の男女に男の子と女の子がチュッチュキャッキャする喜びを味わって欲しかった」
「じゃあなに?この監獄もあの痴女裁判もパパが仕組んだインチキだってこと⁉︎」
「インチキとはお言葉だな。ワシは世の中のために私財を投じてこんなことをやっておるのだ。言わば、世のため人のため、社会貢献じゃよ」
「社会貢献て…」
「実際、楽しかったじゃろ?」
そ、それは…だけど…。そんな理由でこんな大掛かりなインチキができる⁉︎
「ブログは読んでおるぞ。なかなかいい雰囲気ではないか」
「で、でも、このままじゃダメなのよ。このままじゃどこまで行っても恋愛ごっこじゃない!」
「そうか、籠の鳥ではイヤと来たか…与えられた幸せだけでは満足できんか…」
パパは少し考えた。そしてこんなセリフを言った。
「よし、君たちは卒業ということにしよう。恩赦を言い渡す。釈放だ。そして、第二期生を募集することにする」
「はああ〜あ⁉︎二期生⁉︎」
囚人二期生て…
「囚子ちゃん」
「!」
いつのまにかとなりに正太郎くんがいた。あたしの手を握りしめた。
「これでボク達も晴れて本当の恋人どうしだね」
ミカちゃんとカンちゃんも両手を合わせてハイタッチしている。
これでいいのか⁉︎
「ここの生活も悪くないけど、やっぱ自立しないとね。いつまでもカゴの中の鳥じゃあね」
ミカちゃんがいかにもなセリフを言ってる。
これで丸く収まったのか?なにか見落としているような気がする…?
「君たちは恋愛コミュ障だったが、立派に男女交際ができるようになった。君たちが監獄カップルとして羽ばたいてくれるのを期待しておるからの。囚人プレイを見れなくなるのは残念じゃが。それは二期生に期待するとしよう」
ビビッ‼︎
瞬間、あたしの頭の中で回路がつながった。
「パパ!あたし、子供の頃、入っちゃいけないって言われてたパパの部屋に入ったことがあるのよ」
「なに⁉︎あの部屋に⁉︎」
「囚人プレイもののAVだらけだったわね」
「そ、そうだったかな(* ̄з ̄) ~♪」
「もしかして、囚人プレイを現実のモノにするためにこんな監獄なんてつくったの⁉︎」
「い、いや、それは…」
「パパ‼︎」
「は、ハイ、実はそうです…」
マジかあ〜。そんなことのためにこんな大掛かりなことやるか?何が社会貢献だよ…
「パパなんてバカなことしてるの。ちょっと反省して」
「けど、囚人プレイ楽しかったじゃろ?」
むっ、それは否定できないか…
はあ〜、結局パパの囚人プレイフェチに付き合わされたってことかぁ〜。まあ、痴女罪は冗談で済んでよかったけど。
さて、これからどうなるんだ?ホントに釈放されるの?あたしはどうしたらいい?
カゴの中の恋愛ごっこから世間の荒波に放り出されて生きていけるのか、あたしたち?
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