退屈な日々の終わり
ある日転校生がやってきて、それから退屈な日々が終わりを告げた。
前はすごく嫌だった。
平凡な私が送る、平凡な毎日が。
何もない普通の日々が苦痛だった。
平凡な一日なんていらない。どこか遠くへ、投げ捨てたかった。そして、普通じゃないものが欲しかった。
そしたらやってきた、それがここにある。
それ呼ばわりなんて失礼だけどね。
このクラスに転校してきたその女の子、笑っちゃうほど普通じゃない。
「ぎゃあああ、上からバケツの水が!」
「きゃあああ、誰よ廊下にバナナの皮おいたの!」
「こらああああ、黒消しを扉にはさむなあああ」
ドジっ子体質なその少女は、どうやっても退屈な一日にさせてくれない。
いつも何かを起こしてるし、いつも何かに巻きこまれてる。
私の欲しかったものがここにある。
だから。
誰もが一歩引いて見守るその少女に歩み寄って。
私は「友達になろうよ」そう彼女に声をかけられたんだ。