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父の死に導かれて  作者: ユガラ
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辰巳正吉は不安になっている

俺の名前は辰巳正吉たつみまさよしだ。

俺の野望は『アイツ』を殺す事だ。

そのためにはまず、雪白結衣を俺に惚れさせる。

えっ?なんで復讐するかって?

そいつは本編のお楽しみだぜ!!


それでは本文にレッツゴー!!


これは俺の恋の物語であり復讐の物語である。

  

 

  第一話

 「辰巳正吉は不安になっている」


4月俺、辰巳正吉は北山高校に入学した。


北山高校は、明治時代から存在する由緒正しき名門校である。

過去、多数の財界人を排出してきた、中高大の一貫校であり、今もなお数多くの富豪名家のご子息が就学している。


そんな、名門校の生徒達のトップに君臨する女子生徒がいる。

彼女が席を立てば皆が驚きを一様にし、

彼女が席に座ればまた、その美しい所作に目を惹かれ、

彼女が歩けば道ゆく人々は目で追いかけ感嘆を漏らす。


 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」


を体現している生徒だ。

名を【雪白結衣】と言う。

また、雪白は日本トップ企業の『雪白カンパニー』のご令嬢にあられ、数々の分野で素晴らしい功績を残した正真正銘の『天才』である。


そんな、彼女を落とす事を目的にしているのがこの物語の主人公である。




俺には、一つの野望がある。

それは、『アイツ』を殺す事だ。

そのためにはどんな犠牲も厭わない、例え俺が死ぬ事になってもだ。

まずその野望を果たすための第一目標として、

雪白結衣を惚れさせる。



今日は入学式の日だ。

桜が花を散らせ、爽やかな風が吹く中、真新しい制服はそれらを掻き分けるように、はやる気持ちを抑え、これからの高校生活に胸を躍らせ、どんな青春群像劇が待ち侘びているのかと考えながら校門へ行進していく。

パリッとした白いシャツに一回り大きめなブレザー、まだ履き慣れていない底の高いローファー、張り切ってセットした髪、その姿はまるで青春の1ページを切り取ったかのような瞬間だった。

こんな大それた野望を掲げる男であってもそういった物を期待する年頃なのである。

しかし、周りを見渡すと皆が楽しそうに友達と話し合っている。


そう、もう一度説明しよう。

ここは、中高大の一貫校であり、名門校のため、外部生が殆どいないためコミニティーが確立されてしまっているのである。


この瞬間外部生の大半が心を折られるらしいが、この男には関係ない、我関せずとデカい顔して歩いているのは、辰巳正吉であった。

彼のモットーは自己完結であり、全てのことを自分で解決できるだけのスペックがあり、今までそうして生きてきたがために、少々「イタイ」やつである。


そんな彼にも一人だけ親友と呼べる「垣根智親」と言う男がいる。


「そんな、怖い顔して歩くなって正吉!!」


といきなり背後からラリアットよろしくみたいな勢いでガバッと背中を叩かれた。


「イッター、んだよ智親かよ」


垣根智親は、中等部から北山高校に就学しており小学校の頃に知り合った唯一の友達である。


「おう!でもよく外部受験で受かったなこの学校に偏差値70オーバーだろ」


「ああ、この学校でやりたい事があるからさ」


少し寂しげにも聞こえるし、野心を剥き出しにしているようにも聞こえる相反する言い方をした。


雪白結衣に近づいて『アイツ』を殺すって言う大事な目的がな。


どっちを読み取ったかは知らないが


「そうか」


と一言いい会話は途切れた。


程なくして、講堂に着き入学式が始まったが一貫校だからか式自体は比較的速やかに進行していたが『新入生代表の挨拶です』と司会が言った瞬間講堂内の雰囲気が一転し、一人の女生徒へ視線が集まった。

それに釣られて視線の方を見ると度肝を抜かれた。


そう、新入生代表の挨拶は雪白結衣だった。

惚れさせると意気込んでいても不意打ちで登場されると心臓に悪い。


歩く姿は軽やかなのに一歩一歩に力があり、無意識のうちに目を惹かれ、そのまま追い続けると心に焼き付けられる物があると感じた。


その直後、彼女と目が合った。

正直、心臓が『ドキーン』と跳ね上がり、バクバクと鳴っているのが隣の人に聞こえるんじゃないかってくらいに鼓動し、呼吸が少し荒くなった。

口の中の水分が乾き、汗もうっすらとかいていたかもしれない。


ある人は『あっ、一目惚れしたな』と感じ、

ある人は『なんで、怒ってんの?』と考えただろう。


彼は、今複雑な顔をしていた。


これは、『恋』なのかそれとも『野心』なのか……。


この気持ちを引きずったまま入学式は閉式した。




そして、クラスに着くと重大な試練がある事に気がついた。

それは、『友達を作る』事である。


もともと友達を作らずに、雪白に近づく事を前提に計画を練っていたが今日の入学式の感じでは、相当ガードが堅そうだった。


そのため単身で突っ込んでも恐らく相手にされないはずだ。

だからまずは、雪白の隣で歩いていた『あの女』に接近しようと思うがある程度のコミュニティに所属していた方が都合がいいため『友達を作る』という事になったわけだが………………。


不安だ。

中学3年間は、『アイツ』を殺す事だけを考え探偵の叔父さんと一緒に放課後や土日を犠牲にし、情報集めをしていたので友達を作ってこなかったが、まさか友達を作るのってこんなにハードル高かったっけ?


小学校の頃のみんな仲良し精神はどこにいったんだよ!

なんでグループで固まってんだよ!

入学式前の青春群像劇みたいな期待及び気持ちはどこにいったんだよー!!

『誰か、友達の作り方を教えてくれーー』という悲痛な叫び声が心の中で反響している。







私の名前は雪白結衣。

みんながみんなして私を褒め称えるけど正直やめて欲しい。

みんなの言葉は機械が喋っている風にしか聞こえない。

そう、あらかじめ親という名のプログラマーがプログラムした言葉だけを話しているんだ。


私には親友おろか普通の友達すらいない。

私の周りにいるのは、私の親が持ってる『権力』に興味があるだけ。

私には興味がない。

今までだってそうだった。

私が大切にしようと思っていた友達は、もれなく親の息がかかった、こちらの顔色ばかり伺う偽物の友達だった。

打算なしで私に近づく人間はいない。

でも遠い昔に一人だけいた気がする。

私、『雪白結衣』という人間を見てくれた男の子が。

その男の子については何も思い出せない、もしかしたら夢の中の幻想なのかもしれない。

でも信じているいつかそんな男の子が私の王子様が現れてくれる事を、今日も見えない何かにお祈りする。


  『どうかこの幻想を本物にして』

はじめましてユガラです。

どうだったでしょうか?面白かったでしょうか?

いやー、自分が書いた作品を画面の向こうのあなたが読んでいると思うとむず痒い次第です。

これからも気長に書いていこうと思いますのでどうかよろしくお願いします。

あと、ブックマークを押していただくと励みにつながりますのでお願いします。


それではこの辺でまた読んでいただく事を祈り、スマホを閉じさせていただきます。

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