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9/9

9,殿下のお気持ちなんて知らないのです!

……(/ω・\)チラッ


お手洗いを済ませたあと、両親のもとに戻った私の目に飛び込んできたのは、私の両親と何やら談笑しているユーラウス様の姿だった。


「ああ、お帰りディーナ。ユーラウス様がわざわざいらしてくれているよ」

「久しぶり、ディーナ」

「お久しぶりです、ユーラウス様」


この国の王族の証である、青髪に碧眼の超絶美形が、私に薄く微笑みかけてくる。

最推しのあとの推し……。

熱が冷めないうちにさらに加熱とか、オーバーヒートさせにきてますよね……?


「先ほどは、ユーラウス様らしいスピーチ、素敵でした」

「ありがとう。ディーナのスピーチも、凄い良かったよ」

「ありがとう存じま――」

「なんていうと思った?」

「……え」


キラキラ輝く笑顔でお褒めの言葉を下さるユーラウス様に、喜び勇んでお礼をしようと思った矢先。

思いがけない言葉がユーラウス様から投げられた。


「ディーナにどういう意図があるのかは分からないけどさ。あれだと、政治に興味がないようにしか聞こえないよね?どういうつもりなのか教えてもらってもいい?」

「――――ひゅっ」


おおおおおおお怒りでいらっしゃる!?ゆ、ユーラウス様が笑顔なのに怖い!冷たい!カッコイイ!

目が笑ってない!美形なのが余計に凄みを増す原因となっているよう。


そうだった、完全に失念していた。家の面子までは考慮出来たけど、王子様の心境までは頭が回らなかった。そりゃそうだよね。

王子様からしたら、婚約者が突然馬鹿な発言をしだしたってことなんだから。


何にも言い訳を用意してなかった私は、助けを求めるように両親の方に視線を向けるけれど、返ってきたのは「お前がどうにかしろ」という目。

そうだよね、お父様もお母様も貴族だもんね!私の発言に問題があったことぐらいわかってたよね!何も言わなかったのはきっと優しさなんだろう。


――私の撒いた種だ。

私はスカートの裾をきゅっと握り、覚悟を決めた。

私の計画を話すわけにはいかないのだ、なんとしても乗り切らないと!

真っ白な頭のまま、私は口を開いた。


「あえて申し上げる必要がありまして?」

「……何?」

「恥ずかしいことですが、私の意図は全てユーラウス様がスピーチ内で仰っていただいておりましたではありませんか」

「む……たしかにそうだけど」

「そもそも、自分で自分の謙虚さを滔々と語っては意味がございませんでしょう?私、ユーラウス様のスピーチに感動いたしましたと申し上げましてよ。私如きの浅い思考を、余さず汲み取って行動してくださったことへの感謝の表明でしたのですが、少々認識の齟齬がございましたでしょうか?」

「――――はぁ、俺の負けだ。分かった分かった。そういうことにしておこう」


緊張で何を言っていたのかも思い出せないけど、なんだかうまく煙に巻けたよう!良かったあ!

と、私が喜んだのもつかの間。


「そこまで思考を巡らせることができるのなら、やはり王妃には相応しいだけの能力を備えているということだろう。ご両親、ここまでの聡明な子に育ててくれたこと、心から感謝する」

「いえ、勿体なきお言葉です。愚女がお役に立てるようであれば、家としても個人としてもこの上ない誉れです」

「うん、良い臣下を持ったものだ。信頼しているよ、フィーラー公爵」

「……有り難い、お言葉です」


ちょーーーーっとまったそこの大人たち!何本人のいないところで勝手にお話を進めているのかな!?

え、嘘でしょ!?なんであんな雑なスピーチしただけで、「王妃に相応しい能力」だとかって話になるの!?


深く頭を下げておられるお父様に、私の心境が伝わるわけもなく、かと言って今この場で上手く纏まりそうな雰囲気をぶち壊し、尚且つこの先の計画がバレてしまいかねないような発言をするわけにもいかず、私は不満ながらも口を閉ざすことしかできないのだった。


こんなことになるなんて聞いてないよ!初っ端からゲームと内容違いすぎだよ!!


は、はぁはぁ。


「お嬢様」

「あら、ありがとう」

「それと、ハンカチを」


あ、カリーナ扇子ありがとう。ちょうどちょっと暑くなってきたところだったんだよ。

ハンカチ、ああそっか、さっき手洗って濡れたからね。交換ありがとう。

カリーナが動き始めてくれて、ちょっと緊張の糸が緩んだからか気づいた。一人でヒートアップしすぎてちょっと疲れたな。


「恐れ多くも申し上げます。お嬢様が少々ご気分の優れない御様子ですので、御前を失礼させて頂くご許可をいただきたく思います」

「ああ、分かった。許可する。ディーナ、なんだかんだ言ったが、スピーチお疲れ。きちんと休むように」


……私さ、何も言っていないんだよね。なんでカリーナは私が感じたことを全部察するの?凄くない?

というか殿下、その笑みはずるい、ずるいです!!!


きちんと自分が傾国ものの美形であることを意識した上での完璧に使いこなした微笑みが、私の脳をどろどろに溶かしてくる。

正直。さいっっっっっっっこうです!!(尊死)



(੭ु・ω・)੭ुバンバン

※特に意味はありません。

強いて言うなれば、筆を執るのが久しぶりすぎて感動しているのと、気がついたら総合評価100が目前に来ていてびっくりして狂乱しただけです。

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