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6/9

6,誤解なんです!(言えない)

前回のあらすじー。

推しの王子様に悶絶した。まる。


推しを眺めて生きていける人種は尊敬に値します。楽しそう。

私が幸せに卒倒しかけていた間にも、イベントは進んでいく。

スピーチの開始早々、ユーラウス様は大きな爆弾を投げた。


「まずは、私の婚約者であるディーナに、この場を借りて感謝を」


―――――――……え?


「私は、君のその高潔な精神に感謝したい。才知をその身に宿しながら、私を立てるためにそっと身を引くその姿勢は、まさに貴族としてあるべき姿であるように思う。」


ええええええええええええええええ!?


何が、何が起こったの!?

あのキラキラスマイルの王子さまは、何をおっしゃっているの!?


いや、あの!観客の皆さん?

なんでそこで「ああそういうことか」みたいな空気になっておられるのですか!?


違います、違いますから!


やめてお母様、「流石はディーね。立派だわ」なんて嬉しそうに言わないで下さい!


罪悪感で私を殺す気ですか!

私が悪いですね、すみません!!


「ディーのことを理解してくださる聡明なお方で良かったな」

お父様まで!やめて、私のライフはもうゼロです!



「だから、その想いに応えられるよう、精一杯スピーチをするので、どうか聞いてほしい――――」

やめてええええええええええええ!


王子様スマイル!確かにカッコいいけど!

胸キュンだけど!


別の意味でも胸が痛いです……!!




……自業自得、ですね。


はい。


***



その後、30分に及ぶユーラウス様の演説は、聴く人全てを惹きつける、素晴らしいものだった。


流石王子様、カリスマが凄い……!



30分もあるのに全然スピーチに飽きなかったのは、ひとえにユーラウス様の話し方が上手だからだと思う。


そして、まさかのまさかの。


これだけで終わりではなかった。


「では、最後に、国王様よりお言葉」



……え?知らないイベント始まっちゃったんだけど。


というか、よく考えてみればユーラウス様のスピーチから既にゲームとは違ってしまっている。


……大丈夫かな。



「改めて、ディアル=アルカミックだ」


そんな言葉から始まった挨拶。


まずお決まりの祝辞から入って、色々と話をしていたのだけど……。


「そして、我が息子ユーラウスの婚約者ディーナ=フィーラー。彼女の深い洞察力には、私も感銘を受けた。本来子らの意図をわざわざ話すことなどしないが、このことに関しては私からも少し触れさせてもらおう」


――国王が感銘を受けたスピーチ!!??

一体どなたのことを言っておられるのでしょうか……。


現実逃避できなかった、思いっきり名前呼ばれちゃったよ。


「今年は、例年に比べて才能あふれる若者が多い。言い換えれば、身分のそこまで高くない者が多いのだ。悲しい話ではあるが、そのような者は身分のことで肩身が狭い思いをすることが多々ある。彼女は、それを見越したうえでのあのスピーチだったと、私は思う。その先見性と洞察力には驚かされた。……私からも言わせてもらおう。身分など関係ない。――――学べ、若者たちよ。そなたたちの若き熱情を、決して誤った方向に向けるなかれ」


……いやあの、本当にすみませんでした。


自分の都合を押し付けただけでの醜い演説がいつの間にか凄い考えつくしたうえでのスピーチだったみたいな言い方になってしまい、羞恥心やら罪悪感やらで私の心はズタズタになっていった。



その後、入学式が終わり、各教室へ移動となる。


私が両親と歩いて帰っていると、沢山の視線が集まっているのを感じた。


「さすがよね、ディーナ様……」

「あれだけ考えて演説をなさっていたとは」

「ユーラウス様にディーナ様がいればこの国も安泰だな」


めちゃくちゃ良い方向に誤解されてしまっている。


――違うんです!私はそんな凄い子じゃないんです!!



そんなこと叫べるわけもなく。


ご機嫌な両親と一緒に、次の目的地に向かうのだった。



どうしてこうなったの……。


因みに、私の小説の書き溜め具合は、一話の長さで推測することができます。

1000~2000の時は書き溜めがなくて切り詰めてるとき。3000くらいあるときはちょっと余裕があるときです。

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