僕は引きこもり
こっち久々。
小学3年生の頃、友達を家に呼び一緒に遊んでいた。隠れんぼをしようとなった僕らは、それぞれ家の敷地内に隠れる。
その頃は家に大きな蔵があり僕はそこの中に隠れた。
まぁ、隠れてる間暇だし何か蔵の中に良いものないかな〜?ぐらいで漁っていたら、何やら木箱に入った本が出てきた。
読んでみるとファンタジーっぽい事が書かれていて、「体内の力を〜」やら「生物の生命エネルギーを〜」とかラノベみたいなことが沢山。
それを見てアホな僕は、
「すっげ、この本で僕は能力者になる!」
って張り切って内容の事1〜10を見つかるまでずっと実戦した。
時間になって友達を帰したあとも自分の部屋に本を持って行き、本の指示に従いながら座禅を組んだり、ヨガみたいなポーズしたりしていた。
因みに、本は一冊だけではなく5冊ぐらいあった。
そして、あれよあれよと中学一年生3学期の初め頃。
約5年間、無駄に頑張ったせいで不思議な力が身につき見事能力者に。その力で何でも出来るようになっていた。
マジで何でも。
水も出せるし、火も出せる。何なら時だって停めれる。
そして、事件は起きた。
部活帰り、さっさと帰って修行(力のことね)しよ〜とか思っていると近所のボロビルから変な音がすることに気づいた。
よせば良かったのに透視と千里眼でビルを見た。
すると何ということでしょう!
よくお菓子をくれる優しい従兄の奏斗がキッもい何かスライムにミミズを混ぜたような怪物と戦っているではありませんか。
そしてもっとよく見ると、弱々しくですが自分の力と似たような反応が奏斗の使っている能力にあるではないですか。
途中まですっげーとか思って見ていたが、それに気づきちょっと待てと。
確かこの反応は自分の親戚全員にもあったぞ?と。
何なら自分の父が一番強かったぞ?と。
そういうもんか〜と、思っていたがよくよく考えると学校に反応ある人は少なかった。
考え始めると止まらないもので、蔵が解体される時、すっごい騒いでたのもしかして木箱の本が無くなってたから?とか、従妹の姉の結婚式に(それも海外の凄いでっかい所で)、親戚じゃ無かったり異様にゴツい人らがいっぱい来てたのってそういうこと?など、不審な点が出るわ出るわ。
一通り考え終わったあと、とても重要なことを思い出した。
そういえば、部活が無い姉が放課後遅く帰って来るようになったのってこのぐらいの時期だったような…。
もし、もし姉がこの事関連で遅くなってていたとしたら…。
「僕も確実にやらされる。」
いやいやいや!
え?!やだよ?!
そもそもこの力は僕のためであって、あんなの倒すためのものじゃないし!
それにキモいよ!相手が!
無理無理無理!あんな事するんだったら引き籠も…る…。
引き籠もる…?
突然たけれども、父と母は僕らに甘い。
あれやりたい、これやりたいを全て叶えてくれる良い親だ。
…いけるな。
「うん。よっしゃー。今日から引きこもり生活だー。」
そうして僕は引き籠もることになった。