猫、伝説の勇者を目指す
よろしくお願いします。
俺の名前は厨二猫チュー二と呼んでくれ。
なんの変哲もない虎猫だったが、この度勇者召喚されたぜ。
何故“勇者召喚”なんて知ってるかって?
ご主人がずっと召喚された時の準備をしていたからな。朝飯前だぜ。こういう時はまず。
「ステータス」
目の前にブォンと画面が現れる。
よしよし、聞いていた通りだ。
あとテンプレだと自動翻訳が……
自動翻訳が……
ない、だと……⁉︎
「にゃあぁぁー!?」
名前
厨二猫(6) オス
HP/20 MP/9999(max)
スキル
破壊の右肉球 LV.1(右猫パンチ。レベル最大(10)で大陸分断)
鉄壁の左肉球 LV.1(左猫パンチで魔法障壁発動。レベル最大(10)であらゆる魔法、物理攻撃を防御)
癒しの腹もふ LV.max(腹もふすることであらゆる怪我、病気を癒す)
万能聴覚(全ての言語、心の声まで聞くことが可能)
以上。
HPハナクソ過ぎない?
てかなんだ、腹もふって。
立ち上がると、目の前から騎馬がやってきた。
「召喚勇者様はこの辺りのはずだ!探せ!」
「はっ!」
「にゃぁ、にゃあぁ」
「猫なんかほっとけ!」
やっぱダメか。
辺りを捜索する騎馬兵をほっとき、風吹き抜ける草原を振り返る。
麓に見える町は多分始まりの町ってやつだな。
いいだろう、腹も減ったしとりあえず向かうぜ。
俺の伝説はあの町から始まるんだ!!
町民全てを腹もふで癒し、神の遣いと崇められるのは、まだ先の話。
ありがとうございました。