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59/83

55匹目

10話目だね

 朝、起きたらきなこの尻が目の前にあった。

 Oh……ナイスアングル。


 昨日は晩御飯を食べて、お風呂入った。

 夜はお湯を張っていたので、きなこが目を輝かせていた。

 ……アレで「きなこはここに入れないんだよ」とは言えないよね。

 幸い、俺が一番最後だったので、母さんに確認を取ってから湯船につけてやった。


 で、疲れたのでベッドに直行そのままスヤァしたわけなんだけど……


 起きて即きなこのお尻。

 もう、これはご褒美かな?


 ……


「起きるか」

 しばらくきなこのおけつを堪能した後、俺はのそりと起き上がった。


 † † †


 そういえば、最後に誰かに起こされたのはいつだったか。

 

 ふと、誰も(起きてないから)いないキッチンで食パンを焼きつつ考える。

 

 ……ぶっちゃけ記憶にねぇなぁ……。

 それこそ、前世?

 うーん、ダメだ。はっきり覚えてない。

 まぁ、いいか。

 焼きあがったパンをそのままかじりつつ、コップに牛乳を注ぐ。


 ……そういえば、これ「MILK」って書いてるけど、本当に牛乳なのか?

 ここ、異世界だよな。

 異世界でも牛、いるのか?

 いや、牛っぽいものがいるのは知ってる。テレビで見た。

 が、アレが本当に俺の知ってる牛なのかは謎だし……


 ……まぁ、ユウキに聞けばいいか。


 と俺はサテライトでチャットを飛ばす。

 どうやらユウキは起きていたらしい。


ユウキ:なにそれ、流行?

ユウキ:転生者お決まりなの? その、牛乳に疑問もつの

 

 ……?

 みんなそうなのか?


ユウキ:ついでに、ちゃんと牛だから。


 まじかよ。

 チャットに目を通して驚く。


ユウキ:もとはあっちの世界から降ってきたやつの子孫かな。


 堕ち人、人以外も落ちてたのね。

 意外……って、考えたらそうか。


 ユウキにサンキューとお礼を言ってチャットを消す。

 そしてふと、視線を感じた。

「……?」

 振り返ると、きなこがいた。


 じっとみていた。


「……?!」

 総毛だった。

 めっちゃ飛び跳ねた。

 ビックリした。

 起きてきたのか!?

 心臓がバクバク言っている。


「きゅっちゃぁ……」

 壁に張り付いて、きゅふっと息を吐いているきなこ。

 いや、そんな場所に黙っていたら、流石にビビる。

 べりり、と壁から剥がれ落ちてきなこは俺の足元に来た。

 そしてそのまま俺の背中を上る。

「きなこの朝ごはんは母さん起きてからの方が良いんじゃないかなぁ……」

 俺の肩にへばりついてトーストを見ているきなこに俺は声を掛ける。

 たぶん、よだれたれてるよね、これ。

「きゅきゅっ」

 耳元でじゅるっと音がした。

 あ、やっぱ涎垂れてた。

 

 んー、食パン焼いてやろうかなぁ……

 ときなこを眺めつつ考えていると、足音がする。

 数拍して眠気眼な母さんが顔をだした。


「おはよう……早いわね……」

 くわり、と欠伸をして母さんが言う。

 それに俺は「僕はごはんたべちゃった」とトーストを軽くかかげる。

「きなこちゃんは?」

「まだ、トースト焼こうかなって考えてたところ」

「そっか。……きなこちゃん、サンドイッチ作ってあげるわね」

「きゅきゅっ」

 

 ……きなこが来る前からそうだったけど、ほんと母さんの作るご飯は豪華だ。

 これ、きなこが太らない?

 ……まぁ、活動的だし、大丈夫だろう。

 よく食べ、よく動く。きなこの良いところだと思う。

 ……大丈夫だよな?


 かあさんが朝ごはんを作っているのを眺めつつ、きなこを抱えて背中を撫でる。

 ……学校行く前にブラッシングしてやるか。


「はい、できたわよきなこちゃん」

「きゅきゅーん!」

 わーい、と喜んで触手を伸ばすきなこ。

 そしてちらり、と俺を見た。

 あぁ、はいはい。邪魔ですか。

「僕、着替えてくるね」

 きなこを降ろして、二階に戻ることにした。


 


 

まだまだだぁ

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