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52/83

48匹目

ここで8話目おわりー

「ただいま」

「……おかえり、早かったわね」

 顔だけ出して母さんが迎えてくれた。

 そんな母さんにお土産、とたい焼きの袋を渡す。

「ううん、また出掛ける。これ、お土産。美味しかったから」

「あら、ありがとう」

 袋のなかを覗いて、母さんが「おいしそう」と微笑んだ。

 母さんの笑顔は大好きだ。

「じゃ、行ってくる」

「いってらっしゃい、遅くならないようにね」

 と送り出してくれる。

 心配しえくれてるんだなぁ……そりゃそうか、一人息子だし。

 

 戻ると、ユウキがポストの近くでこそこそしていた。

 あ、ポイント? 立ててるな?

 こそこそしているユウキの後ろに立って様子を見ることにする。

 ポスト近くの、茂みのなかに上半身を突っ込んだユウキは、中でモゾモゾと作業しているようだった。

 丸い尻が茂みから生えている光景はなんだかシュールだ。

 ……女の子、なんだよなぁ……。


 いや、あのタカトーだって認識だから、やっぱ女装ってことでいきつくんだけどさぁ……。


 きなこも大人しくユウキを眺めていた。

 数分後。


「……ん、よし!」

「精の出るこったな」

 満面の笑みで起き上がったユウキに声をかけてやった。

 たいそう驚いたようで跳び跳ねる。

 そんなユウキにきなこが「きゅきゅっちゃ!」と楽しそうに鳴いた。

 たぶん、「まぬけ」とかそういう系の鳴き声だった。

 きなこ、以外に口悪いのかもしれない。

 ……俺の妄想かな? だといいな?


「意外と早かったな」

「お前は何をやってんだ……」

「え、いや……あは、は?」

 笑顔でごまかそうとしているらしいけど、無茶だからな?! 

「ポイントたてたほうが転移するのも楽なんだよぅ……どうせ俺しかわからない目印なんだからいいじゃないかよぅ……」

 無言で見つめてやると、ユウキがいじけながらごねだした。

 なんつーか、かわいくないぞぅ?


「これからもちょくちょく来る気かよ」

「んー……まぁ、そりゃ、な」

「そんなに俺面白いか?」

 や、いろいろ助けてくれるのはありがたいけど。

「あー……まぁ、いや……どうだろ……」

 ……?

 曖昧に濁そうとするユウキに、俺は違和感を感じる。

 ……あれ、本心は別にある?

 

 嫌な予感はしない。

 だけど、なんだか……

 なんだ? これは。

 ユウキは、こいつは俺に何を隠している。


 ユウキは困ったように眉を下げた。

 言いにくいことを誤魔化そうとしている。

 これは……突っ込むべきか?


 ……まぁ、いいか。


「イワナガヒメ様の駄菓子屋、場所わかる?」

「いや……って、いいの?」

「なにが。場所わかんないなら行くぞー」

 きなこを抱いたまま俺はユウキを置いて歩き出す。

 へんに突っ込んでもなぁ……どうせ煮え切らないこと言い出すんだろうし。

 もういいや。

 数日からんで、こいつが俺に何か企んでるのは分るが、危害を加えようとしているわけじゃないと思うし。信じることにする。

 ま、どーせ、俺普通の人間ですし。

 神様相手にどーこーする力はありませんしね。



まだまだつづくんじゃよー

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