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46匹目

つづいてくぅ

「ついでにドラゴンとかは恐竜が生まれ始めたくらいに進化したから、結構最近の生き物だったり」

「……最近」

 恐竜生まれたあたりが最近ってあーたー……あ、まぁ。二百億年以上生きてるらしいし、そら最近か。

「えっと、人が出てきて1億年だから……5億年くらいが最古かなぁ……ファグナムンとかいうドラゴン。-7番街-に住んでたはず」

「-七番街-って言ったら……あれか、中国っぽい-街-」

「位置も相対的にみたらそこらへんになるな。あそこは妖精と龍と竜の-街-だからなぁ」

「ここは?」

「みりゃわかるだろ。妖と神の-街-」

 即答だった。

 まぁ、そうだな。愚問だった。

「人間……クリーチャーの方な。多い-街-はどこ?」

「食用ならここだけど……そうじゃないなら-十一番街-じゃね?」

「食用もここなんだ……」

「地下に生産工場がある。いつか行ってみようぜ」

「地下……Arkの管轄地かよぉ……」

 頭抱える事実である。

 けどもまぁ、そらそうか。

 -街-ないの管理をする組織がArkである。

 そら、食料についても管轄内で。

 当然『人食い』のための『食料』である食用人間も管理してるわな。

「……ポチとならんで特産品……っていうか、食用人間を生産してるのはこの-街-だけだから」

「なんで」

「なんでだと思う」

 ニヤッ。

 ユウキがそういう笑みを浮かべる時は、まぁ、いい意味ではないな。

「他の-街-では御禁制だとか?」

どうせそこらへんの理由でしょ。

人間の多い-街-だって存在するし、人間を餌とみられるのはどうも……いい気分ではない。

「ん。まぁ、いろいろ要因あるんだけどな。まず、大部分の-街-において食人種は迫害の的だ」

「え?」

 意外な答えだった。

 食人種は迫害されてるのか。

 え、でもこの-街-……

「-八番街-は結構異端でな。そういうやつらの保養区でもある。で、そうなれば食料が必要なんだけど、一般人を襲いかねないのはいただけないから、食用としての人間を製造することにしたんだよ。まぁ、作り方を知ってるのがこの-街-だけってのがでかい。で、この-街-の人々も『それ専用の食糧として存在するなら』と容認してるわけでして。自分に被害が及ばないならいいやって気質。こういう時は好きだぜ?」

 それ、けなしてるのか、褒めてるのかわからんぞ。

「ま、食人種って大体夜行性だから、この-街-の夜を支えてるの大体食人種っていう。吸血鬼しかりグールしかり」

「鬼は?」

 食人種で最もメジャーであろう種族を言ってみる。

「種族による。つか、鬼はほんと種族によって人食わないのもいるから。人と何ら変わんないやつもいるからな?」

「まじか」

「人間以上に種類あるからな。鬼。あー木鬼とか光合成してる穏やかなやつだしなぁ……」

 会う? とユウキが聞いてくるので、「また今度」と断っておく。

 こいつ、軽率に会いに行こうとするから……どうしたいんだか。

 あれか、反動か? 病弱だったころの反動でここまでフットワーク軽くなったのか。

 200億年以上続けんなよいい加減落ち着けよ。

「ほんと足軽いなぁ……」

「? そうか?」

 自覚なさそうに首をかしげるユウキ。

 ほんと自覚ねーのかよ。

「いつもそんあ動き回ってんの?」

「あー……まぁ、3日間くらい魔物狩りつづけたり、-十三番街-の整備したり、きゅっきゅちゃん牧場の柵補強したり、まぁ、いろいろやってるけど……日がな一日本読んでる時もあるぜ?」

「意外」

 本読むのかお前。

「……一応これでも魔術の神様なんだわ。勉強できねー子みたいな扱いしないでくれるか」

 睨まれた。

 結構気にしてるのか? 学校行けてないこと。

 馬鹿にしてるつもりはないんだが、なんか、今のユウキって勉強そっちのけで動き回ってるイメージあるんだよなぁ。

 典型的RPGの主人公的な。

 頭使うの苦手! 体動かす方が楽しい! 的な?

 そんな俺の頭を覗いたのか、はたまた表情が分り易かったのか。

 ユウキは顔を覆って盛大にため息をついた。

「熱血系ではねーぞ……まぁ、体動かすのが好きなのは否定しない」

 声に出てましたか……。


「きゅっきゅちゃーん」

「あ、きなこ。おかえり」

「きゅっきゅっきゅっきゅ……きゅっふ」

 俺に向かって何か鳴いた後、ユウキへ向いて息を吐くきなこ。

 あ。これは笑ったな?

 ユウキがめっちゃ苦い顔を浮かべる。

 カメムシでも噛み潰した顔だな?


「きなこ、後で覚えてろ」

「きゅっきゅちゃ……きゅふ」

 脅えてるふりしつつ、煽るのやめないの流石である。

 俺はきなこを抱きかかえて腹をこしょこしょとこそばす。

「きゅっきゅっきゅっきゅきゅ」

 笑い転げるきなこ。

 ほんとこそばがりである。

「ほれ、焼けたさね」

 と俺の目の前に紙袋がおかれた。

 ん。たいやきか。

 お代を払い、たい焼きの袋ときなこを抱える。

「準備おっけー? チルヒメ。じゃ、庭貸して」

「ここから飛ぶさね? こっちさな」

 とチルヒメ様が歩き出す。

 それについていくユウキの後を、俺も追うことにした。


終わらないぃ~

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