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45匹目

つづきぃ

「なぁ、ユウキ」

「おん?」

「ユウキって、結構すげえ知り合い多いのな」

 何気なく感じたままを口にした。

 ユウキは、眉を顰めて口を歪ませた。

 不機嫌4に呆れ3残りが良く分からない顔だった。

「……俺が、もともとこの世界造った創造神だって、わかってる?」

「認知されてないんだろ?」

「……一般的にはな。ただ、神とか上位の存在には格が見えるわけでな」

「あぁ、なるほど」

 何となく納得。

 俺が分御霊とそうじゃないとかわかるのと一緒か。

 そういえばある程度ならくらいの高さもわかる……のだが。

 わからないことがある。

「なぁ、俺不思議だったんだけどさ」

「何さ」

「俺、澪夢がすんげぇ位の高い神様ってのは直感でわかるんだが、お前に対して一切そういう感覚ないんだよ。なんで?」

 創造神なんだよな?

 と、ユウキに問いかける。

 神様だってのはわかる。

 分御霊ってのも……わからんでもない。濃いけど。

 でも、そこまですげえ神様感がしないのだ。

 知り合いだってのも差し引いても。

 それにユウキは「あぁ」とわかった風に声を出した。

「それ、俺が能力封印してるから」

「ちょくちょくでるな、その言葉」

「俺、不器用でさぁ……澪夢みたいにできねーの」

 恥ずかしい、と後頭部を掻きながら笑うユウキ。

 どういうこと? と聞かなくてもユウキは続きを離してくれた。

 曰く

「なんていうかなぁ……俺はもともとこの世界に降りるとき魂を3つに分けたのは、もう知ってるだろ? 大部分をシステムの優樹に置いて、記憶とか主人格を神族のユウキに。んで傾いたバランスをとるため残りで魔族のゆうきを作った。……つっても、ゆうきを作ったのは100年くらい後の話なんだけど。まぁ、それはいいや。で、最初は能力封印とかしてなかったんだけど、人間が出てきたあたりで、都合が悪くなったんだ。みんな委縮して、恐れるっていうかな。で、俺はそれじゃぁ都合が悪いから、能力を封印することにした……んだけど、要領悪くてな。魂ごと、全体を封印してるんだぁ……」

 だからちょっとすごい神様程度の力しかでないんだぁ。

 なんて、気の抜けた声で答えてくれる。

 能力限定とかそういうのではなく、封印。

 しかも封印しててもちょっとすごい神様レベルで力を行使できる。

 ……頭おかしくね?

 規格外ってのが分かった気がする。

「澪夢はそういうのうまいから……そもそも本体と端末をくっつけたままだし」

 とユウキがまだ続けていた。

「どういうこと?」

 気になったので首を傾げれば、ユウキははにかむ。

「あれだよ。俺とシステムの関係って独立した電話なんだけど。システムのところにいる澪夢本体と、こっちにいる澪夢……端末の関係って電話の親機と子機みたいな関係でな。ほっそい糸みたいなので繋がってるというか。同じ人格なんだよ。あー……端末っていうか、こっちの世界に指先だけ出してるような感じ? で、あいつ器用だから出力を抑えて出てきてるっていうか」

 ユウキより澪夢のほうが規格外ってのが何となく理解できた。

 あの人怒らせることはやめよ。

 ……あんまり関わることなさそうだけど。


「ま、時代がわるかったってのもあるんだけどなぁ……」

 自嘲気に笑んでユウキは言葉を続ける。

「何が?」

 何に対してかわからなくて俺は首をひねった。

「ん。俺がシステムの優樹から分離したタイミング? 世界が出来て、生命が出始めたところだから……えーと……最低でも5億か6億年くらい? 適当に分離して、まぁ、星をほっつき歩いてたんだが……あぁ、そのころからそういえば生命には逃げられてたな。恐竜なんかもさぁ……あははは。ま、あのころは舐められたら食われるからアレで良かったんだよ」

「俺、お前がそこまでジジィだとは思わなかったわ」

 5億って……6億って……

 途方もねぇなぁ……

「あれ、でも世界造ったんだよな? それっていつ?」

「ん。星ができるまで年月とかいう指標なかったから何とも言えないけど」

「そらそうか。創世だもんな」

「最低でも200億年は過ぎてる。初期はそのまま地球のある世界をトレースするようにしてたから」

「にひゃくおく……」

「大体は寝てたからよくわからん……なんもなかったし……」

 しょげて小さく呟く声がする。

 そら、なんもない世界ただ見てるだけってのも……暇なはなしか。

「途方もない時間だしな……しっかし、にひゃくおく……」

「ビックバン起こってから、星が生まれては死ぬ様はまぁ、綺麗っちゃ綺麗なんだけど……やっぱ生命が生まれてからの方がおもしろい。特に人間。やっぱ文明が起こってからが楽しいよな」

 あはは、と笑うユウキだが

 視線がすんげぇ遠くを見てる。

 何を思い返しているのか。

 ただ、まぁ、言えることは……


いうほど楽しい思いなんかあんましてないだろ。

 そう、悟ってしまうあたり、俺も大概か。


 敢えて突っ込むことはしまい。

 そう決めて俺は麦茶を一口、口にする。

 よく冷えた麦茶だった。中に入った氷が涼やかな音を立てる。

 うまい。甘露だぁ。めっちゃ染み渡る……。



つづくぅ

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