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15匹目

3話目だあね。

 次の日。

 俺は再びきゅっきゅちゃん牧場に来ていた。


 あのあと、ユウキと夕方まで喋り倒し、日暮れ前にユウキに家まで送ってもらった。

 ついでに、優樹が言っていた漫画のことを思いだしてユウキにも教えてやれば、滂沱の涙を流された。

 え、そんなにショックだったのか。


 帰宅してから両親にきゅっきゅちゃんを飼って良いか尋ねたのだ。

 そしてあっさりオッケーをもらったので来たわけである。


 なんっつーか。

 とんとん拍子だったなぁ……。

 特に親が。

 いかに俺がきゅっきゅちゃんが大好きになったとか、ちゃんと世話できるかとかプレゼンしなくて良いの?

 もっといろいろ……あの手この手しなくて? いいのかぁ……やったぁ……。

 なんというか、今世の親は俺に対して寛容すぎるというか、甘すぎるというか……。

 何をお願いしてもホイホイ叶えてくれそうである。

 ……ううーん。ちゃんとしなければ……。


 まぁ、ということで俺はきゅっきゅちゃん牧場に戻ってきたわけだが……。

「お金、いいの?」

 金は要らないといってくれたユウキに対する確認である。


「……まぁ、7才児の金で買える額じゃねーぜ?」

 首を傾げるユウキに、俺は遠慮しがちに呟いた。

「……100ガルドある」

「……なんつった?」

 まぁ、そういう反応になるよね……。

「100ガルド。俺の今の全財産」


 まぁ、普段から……2年間コツコツ貯めたってのもあるんだけど、半分は昨日親からもらったお金である。

 経済的に自立したいものである。


 ついでに、ユウキがめっちゃ驚いているのは、7才児がなんでそんな大金持ってるんだ、って話で。

 基本的にアルヴェリア王国ではガルドはお目にかかれないのだ。

 

 食料品をはじめとする生活物品に関しての物価が異様に安いのである。この国。

 大体補助通貨であるリーブルで事足りる。

 ついでに1ガルド=1000リーブル。

 リンゴは1個大体10リーブルくらい。

 ホント、冒険者くらいである。ガルドを使うのは。

 で、俺の全財産100ガルドである。

 まぁ、100ガルド程度じゃ剣も買えないんだけどね……。7才児が持つにしては……ねぇ?


「あー……半分は親から昨日もらったんだけど」

「それでも50ガルドは持ってたんかい」

「いやぁ……命を買うには安すぎるかね……」

「あのおっさんに金落としてもどーせ、いかがわしいことに使うんだし……お前も1匹くらいでしょ?」

「まぁ……」

「大金持ってることは黙ってようぜ……」

「……おーらい」

 二人して遠い目をする。

 あのおっさん、欲に忠実なのな……。

「きゅっきゅちゃんに必要な物品は歓楽街のペットショップで買おうな」

「どんなけあのおっさんに金落としたくないの……」

「だって、なぁ……生活できる程度には給料払ってるし……」

「おおう……」


つづくー

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