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魔力チートな魔女になりました~創造魔法で気ままな異世界生活~  作者: アロハ座長
4章【掘り起こされた機械侍女と女神の依頼】
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16話【盗賊の襲撃】


 そして、毎日、子どもたちが代わる代わる遊びとして生き物を捕まえて、私たちのところに持ってくる。

 それを朝にベレッタたちに預けて、屋敷での管理を任せている。


 個体数の少ない生き物は、屋敷である程度の数になるまで繁殖させてから解放し、それ以外は、各地に作った植樹した森や水源に放つ。

 一ヶ月の間に、ある程度の小動物が増えて、【虚無の荒野】への移動が完了した。

 あとは、移動させた生き物たちがこの環境に定着するのを祈るだけだ。


「あとは、生き物が自然に流入して生態系を構築できれば良いかな」


 そのために、【虚無の荒野】の中心地からガルド獣人国とイスチェア王国に近い大結界の境界付近まで生き物が移動しやすい森の道を作る計画も立てて、ベレッタたち奉仕人形たちが植樹を行なっている。


 そうした日々の中で、廃坑内部で虫魔物のコロニーも潰して回り、倒した虫魔物は、5万匹を超えた。

 この町に来て二ヶ月が経ち、廃坑の魔物の9割ほどを駆除し終え、残すは廃坑の最深部だけとなる。

 最下層から新しい虫魔物が出てこないように結界で封鎖して、突入の準備を整える。


 準備を整えるのに数日を使い、明日突入するために今日は早めに休むために廃坑から出れば、いつも出迎えてくれるドワーフ自警団たちが居らず、町の各所から黒い煙が立ち上っているのが見えた。


「魔女様、これは火事なのですか!?」

「燃え方がおかしいわ! これは、襲撃による放火よ! 急ぎましょう!」


 私は、マジックバッグから空飛ぶ箒を取り出して、テトを後ろに乗せて町に戻る。

 絨毯よりも加速が速いためにすぐに町の上空に到着すれば、町の各所では放火された建物が見え、地上には、ドワーフの自警団と対峙する盗賊たちが見えた。


「テトは、盗賊をお願い! 私は、治療と消火をするわ」

「任せるのです!」


 テトが箒から飛び降り、拳一つで盗賊たちを一撃で気絶させていく。


「さて、私は、私のことをしましょう。――《ヘヴィー・レイン》《エア・コントロール》《エリアヒール》!」


 私が、燃える建物の上空に大きな水球を作り出し、そこから局地的な豪雨を引き起こし、更に建物の周囲の空気を操作して酸素を排出して消火する。

 それと同時に回復魔法を自警団のドワーフたちに掛けていく。


「チセちゃん!? テトちゃん!?」

「みんな、大丈夫! 状況を教えて!」


 ドワーフの自警団は、私たちの到着に驚き見上げる中、私も空飛ぶ箒の高度を下げて状況を尋ねる。


「突然、盗賊が襲ってきたんだ! だども、俺たちは応戦したんだが、盗賊の方が数が多くて、町は放火されちまった」

「わかったわ。なら、テトと協力して盗賊の対処をお願い! 私は、怪我人の治療と住人の安否の確認をするわ!」


 そうして私たちは、盗賊の対処に回る。

 住人の多くは、町の集会所に避難しており、怪我人もそこに運び込まれていた。


「怪我人は、少ないようね。それに重傷者もいない。これなら、ポーションでの治療で十分ね」


 私は、マジックバッグからポーションを取り出し、無事な住人たちと手分けして治療する中、私に付いてくれたドワーフの自警団の人が住人の安否報告をしてくれる。


「チセちゃん! 子どもたちの姿が見えねぇだ!」

「子どもたち! それじゃあ……」


 その報告に、自警団が連れてきたのは見覚えのある子どもたちだ。

 いつも【虚無の荒野】に放つ生き物を捕ってきてくれる子どもたちの弟や妹だ。


 そんな子どもたちが泣きながら私に訴えてくる。


「ふえぇぇぇぇっ! にいちゃは、にいちゃは、もりに、もりに行っただ! ねえちゃがおどろく、いきもの捕って、あまあま貰うって、うわぁぁぁぁっ!」

「アリムねえちゃ、たちといっしょに、行った、行って、戻ってこないだ、うわぁぁぁっ!」


 アリムちゃんたちの年代よりも年下のために、一緒に森まで連れていってもらえなかったのだろう。

 だが、子どもたちが森の方に行っているのなら、早くに探しに行かないと。


「教えてくれてありがとう。私が迎えに行くわ」


 私は、子どもたちを安心させるように笑みを浮かべると共に、自分が原因で子どもたちを危険に晒してしまったことに自己嫌悪を覚える。


(私が生き物の確保を頼まなければ、子どもたちがこれほど集団で森に入ることは無かったかも……)


 ただ、あの森は時折、子どもたちが山菜を採るために入ることもあるほど、安全な場所だ。

 生き物の確保を頼まなかったとしても、別の理由で向かう者も居たかも知れない……

 それでも、自分に責任があるように感じ、町の集会所から出て、ドワーフの自警団の人の案内で森へ向かう。


「――《アース・ソナー》。子どもたちはあっちね!」


 土魔法の探知で地表にいる人を探し、子どもたちを迎えに行く。

 まるで逃げるように走ってくる子どもたちを迎えに行けば、子どもたちが必死の表情で私たちに縋ってくる。


「おじさん、チセねえちゃん! 助けて! 攫われた! アリムちゃんたちが攫われた!」


 その一言に、事態は更に悪いと感じて、空を仰ぐ。


魔力チートな魔女になりました1巻は、GCノベルズ様より12月26日発売となります。

イラストレーターは、てつぶた様が担当し、とても可愛らしくも大人びたチセが表紙を飾っております。

書店購入特典には――


ゲーマーズ様より、SSペーパー

虎の穴様より、SSイラストカード

TSUTAYA様より、SSイラストカード

メロンブックス様より、SSイラストカード


――以上の書店で配布予定となっております。

また書籍のアンケートにお答え頂くと書き下ろしSSを読むことができます。

ぜひ、よろしくお願いします。

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GCノベルズより『魔力チートな魔女になりました』7巻9月30日発売。
イラストレーターは、てつぶた様です。
作画、春原シン様によるコミカライズが決定。

魔力チートな魔女になりました 魔力チートな魔女コミック

ファンタジア文庫より『オンリーセンス・オンライン』発売中。
イラストレーターは、mmu様、キャラ原案は、ゆきさん様です。
コミカライズ作画は、羽仁倉雲先生です。

オンリーセンス・オンライン オンリーセンス・オンライン

ファンタジア文庫より『モンスター・ファクトリー』シリーズ発売中。
イラストレーターは、夜ノみつき様です。

モンスター・ファクトリー
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