4話【魔法スキルの習得。創造魔法は本当に便利です】
正直、魔法スキルを覚えるために日々練習しているが、炎弾の杖だけだと攻撃手段としては心許ない。
そのために、【創造魔法】で作り上げた魔法使い装備を身に着けて、新たな攻撃手段を模索することにした。
「――《クリエイション》。スキルオーブ【杖術】!」
300の魔力量を消費して生み出したアイテムは、スキルオーブ。
私が異世界に転移する時に選択することができたスキル群がある。
そうしたスキルは、この世界でも鍛錬によって手に入れることができるが、私の場合は、【創造魔法】でスキルを取得できるアイテムを作ることができた。
ただ、【創造魔法】ではチートスキルを生み出すことはできないようだ。
例えば、一般的なスキルを最低レベルで創造するのに必要な魔力量は、300である。
より希少な、よりレベルの高いスキルオーブを生み出すには、より多くの魔力量が必要になるようだ。
具体的には、累乗で増える。
スキルレベル2だと300の2乗で9万、レベル3だと300の3乗で2700万魔力必要になる。
なので、レベル1のスキルを手に入れて地道に強くしている。
「よし、スキルオーブ使用っと。これで杖術スキルが手に入ったかな?」
手元にある杖を振ってみると少しだけ、振る時の速さや威力が上がっているような気がする。
「威力は上がったけど、攻撃するための手段なら、【杖術】よりも魔法スキルを創造した方が良かったな」
今の私は魔女っ子だ。
物理で殴るなんて危ない真似はしない。
なので、自力で習得途中の【火魔法】をスキルオーブで習得することにした。
今まで頑張っていたけど、正直魔力を何度も消費して練習を重ねるより、スキルオーブで習得した後に練習した方が効率がいいと思う。
「とりあえず――《クリエイション》。スキルオーブ【火魔法】!」
そうして、私は【火魔法】のスキルを手に入れて、自力で魔法を撃つということができた。
その結果、炎弾の杖から放つのと自前の魔法では、同じファイアー・ボールでも違いがあることが分かった。
「自分の魔法の方は、カスタマイズできるんだ」
例えば、魔力量を多く込めれば、射程や威力が上がったりするメリットがあるが、心理状況に左右されて威力が落ちたり失敗したりする危険もある。
だが、炎弾の杖は、威力や出力が一定である。
「【炎弾の杖】は、これでお役御免かな? 今までありがとうね」
この異世界サバイバル生活で私を支えてくれた道具だ。
まだ使用回数が残っているので丁寧にマジックバッグの中に仕舞い込み、その後、夕暮れになるまで平原の空き地でファイアー・ボールを撃ちまくった。
そして、その後数日を掛けて、火魔法の他に、水、土、風の4大元素と光と闇の魔法スキルを習得したら、その全てが統合した。
「えっと……【原初魔法】?」
まぁ六属性全てを扱えるというスキルだろう。
スキルレベル1のためにあまり強力な魔法は使えないが、それでも雑にスキルがズラリと並ぶよりは、スッキリして気持ちがいい。
それよりも、【原初魔法】を習得したことで、六属性の派生である様々な魔法も使えるようになったのは大きいと思う。
特に【土壌操作】や【植物操作】などの魔法は、魔力消費量が大きいが、自分の仮拠点の周囲を住みやすくするのに役立った。
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