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人魚に恋したモンキー  作者: shinpanzees
3/21

人魚

 

 自動ドアが開くと無邪気に車椅子を全速力で漕ぐ美少女が現れた。



「ミナミ危ないわよ。」

 母に注意されてもその笑顔に変わりはない。


「だって久々の外出だよ。3週間も入院してたんだからハシャギたくもなるわよ。」


「まったく。」


 ミナミは18歳の高校生。

 8年前、友達と待ち合わせ場所に向かってる途中に事故にあった。

 奇跡的に軽症で只の骨折と診断されたが、骨折が完治しても歩ける兆しが無かった。細密検査をしても特に異常は見当たらないと医者に診断された。


「原因不明だね。本人の心の問題かもね。」

 と匙を投げてしまった。


 ミナミの母は「あの医者はヤブ医者だ」と他の病院を転々とするが、どんな名医が診ても結果は同じであった。だが母は諦める事無く、TVで紹介されていた病院にお世話になることを決めた。今回はここで診察を受ける為の精密検査入院。当初は1〜2週間の予定であったが、病院側から追加の検査を促された為、結果的に3週間費やした。


「退院祝い何がいい。それとも何か良い物食べにいく。」

 母親が優しくミナミに話す。


「久々に思いっきり泳ぎたい。お腹空かせて焼肉いっぱい食べるんだ。」

 満遍の笑みが母を苦しめた。


「焼肉ね。今日はママ奮発するわ。」


「やったぁ。特上ロース、特上カルビ。ダメだ考えただけでお腹空いてきちゃった。」



 結局この病院でも、ミナミの足を完治させる治療方法は見つからなかった。

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