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炎に巻かれた魔女は転生して  作者: カラスの子
4/5

悪戯じゃないよ

まとめて投稿するつもりで置いて置いて忘れていて、投稿してしまった事に気がついて、慌てて投稿の四話目です。

 土日は幼稚園はお休みです。

 お友達のなるみちゃんもメイちゃんとも遊びません。二人とも家が離れているからです。

 お兄ちゃんは、例の二人と塾へと行きました。


 私は一人リビングで絵本を開いています。


 「ヒマだね」


 私はそっとリビングを抜け出して、兄の部屋へと向かう。テレビでは、幼少の頃から英才教育をする親も居るらしいけれど。

 ウチの親は、子供はのびのびがモットーらしく。

 私はまだ何も習い事はしていません。


 それはそれでも良いのだけれどね。


 「おじゃましまーす」


 兄は優しいから部屋に入ったからと怒ることはない。

 ただ、忍び足になるのは、その仕方がないとも思う。

 狙いは、兄の教科書。と言っても、今の教科書ではなく。一年の頃の教科書。


 何故って、漢字が読めないからです。


 平仮名とカタカナは如何にか読める。

 自分の名前の漢字は覚えた。

 白実・美桜。

 これに加えて簡単な漢字も少し、でもそれだけで新聞はとても読めないし。本もムリ。


 机には手を触れないようにして、探すのはクローゼットかな?


 勉強するのにどうしてコソコソしないと行けないかな?とも思いますが、イタズラして居ると思われるからです。

 コソコソするからイタズラと思われ、コソコソしないと探せない。正に悪循環とは分かっていても、上手く行かないものだ。


 「何これ?」


 クローゼットの奥から出てきたのは、女性の写真が乗った本。


 「みお、また、お兄ちゃんの部屋に入って?」


 私が兄の部屋に入った事に気が付いた母が、部屋に入って来たが私が持つ本に目を丸くしている。


 「みお、これはそっとして起きましょうね」


 本を取り上げた母はクローゼットに戻して、扉を閉め。私をどうにか抱き抱えると、兄の部屋を出た。

 むぅ、残念。


 お昼は、チャーハンでした。

 米と言うのは向こうにもあったけれど、主食ではなかった。向こうでの主食は、こちらで食べた物では甘くないビスケットと言うのが良いでしょうか?

 それにチーズや干し肉を付けて食べます。


 食事自体は、正直、こちらの方が美味しい。

 コレは仕方がないと思う。世界の広さが余りにも違うから。

 私が全世界と思っていたのは、こちらで言えばアジアやヨーロッパなどの地域の話であり。本当の全世界では無かったと言えます。

 存在する国も、小さな都市国家を入れたとしても三十程度。

 こちらの様に、数百もの国は無かったのです。







 お昼からは、私はバラエティとかいう番組を見ていて、母はスマホを弄っています。

 スマホを弄っているとはいえ、私への注意は怠りません。


 「みお、テレビに近いわ」


 母から見て、私がテレビに近いと思えば強制的に下がらせたりもします。

 バラエティは、下の方などにテロップが流れるので言葉の勉強になり。幼児向けの教育番組と同じ様に見て、勉強している。

 アニメとかは、正直余り見ない。

 最初は驚いたし幾つも見たが、私が知りたい情報とはかけ離れていて、物語としてもどうにも合わなかった。ま、見せてもらえるアニメが幼児向けなのも原因ではあるのだろうけれど。


 残酷シーンとかいうけれど、正直、私にすれば何処が残酷なのか分からない。意味的には、勿論理解するけれど。

 焼け焦げた大小様々な人の炭化した姿など、映像で見られるのはボカした手の先程度ではないか。

 私は、知っている。

 憶えている。

 忘れる事など、転生程度では消える事が無いのだろう。


 あの世界での人々の死を。


 「この世界だって、この国が見ないだけで同じ光景はあるはずなのにね」


 「みお、何か言った?」


 「チャンネル変えて良い?」


 私はチャンネルを変えようとリモコンに手を伸ばした。









 夕方少し前。

 母の運転でスーパーに買い物に出かける。

 赤ん坊の頃、初めてスーパーに連れて行かれた時には私は絶叫しかけた。だって、そうだろう。

 市場と同じ様な規模の食料が巨大な施設に詰め込まれているのだから、あの時よく叫ばなかったと思う。


 「みお、欲しいものがあったら一つだけ持って来なさい」


 そう言って母は私をスーパーに解き放つ。

 と言ってね。

 この国の正常な子供たちのように一先ずお菓子売り場に向かう。そこには先に二人の子供がお菓子を楽しそうに物色していた。

 私は子供たちを避けて一つのビスケットを取る。

 それは赤ちゃん様のビスケットでかなり味が薄い。ただ、その味は転生前に食べていた主食に似ていてつい食べたくなってしまう。

 ビスケットを取ってあれこれ悩んでいる姉妹らしき二人を避け。お菓子売り場に入って来た買い物カゴを持たない黒い服装の男の人を避けて、母親の方に向かう。


 「みお、本当にそれ好きね」


 「うん!」


 母は、美味しくないのにと言った感じでビスケットをカゴに入れ。後は、母と一緒に店内を巡る。

 一通り巡って、レジへと向かったのですがその途中、あのお菓子売り場にいた姉妹の下の妹らしき女の子が、同じお菓子売り場にいた男性に連れられて車に押し込められた?!


 コレって誘拐!


 「あっ!みお!」


 ダッシュで出入り口へと向かい、そこに現れた姉の方とぶつかりそうに成りながら止まる。

 どうやら、姉が出入り口のトイレに行ったところを狙われた様だ。

 居なくなった妹を姉は探している様なので、説明なくその手を取って外に出る。

 男が車に乗り込む。

 急がないと!


 この世界は魔素が薄い。

 どのくらい薄いかと海抜ゼロメートルと高度一万メートルの酸素濃度くらい違う。

 正直、魔法なんて発動レベルに達しない。


 それでも無理に魔素を集め魔力に転換、魔法を発動させる。


 「風よ、この小さき石を弾丸とせよ」


 魔力が高ければタイヤを切り刻んだところだが、そこまでの魔力が無かったので手の中の小石を打ち出す方を選んだ。

 上手く当たれと叫ぶ。


 放たれた小石は、風を纏い見事に誘拐車のタイヤを撃ち抜いた。急なパンクで急いで逃げようとしていた車は駐車中の他の車に激突。大惨事になったが、在ろう事か連れ去られそうになった女の子が車から泣きながらも逃げ出して来たので事故を目撃した人達が騒ぎ出す。


 女の子のお姉さんが、姉が妹を保護すると誘拐犯の男は逃げ出そうとするが周囲で見ていたお父さん達に押さえ込まれ。

 逃げようと暴れていた。


 「ふぅ」


 後は大人に任せれば良いとその場を目立たない様に離れたが、私の前に、ガッツン!と音をたて突然に棒が突き刺さた。


 「白銀の杖?!」


 それは、只の棒ではなく。かつての私が魔女認定される元凶と成った、悪魔が変幻したと言われた呪われた魔法の杖だった。

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