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ひとりじゃない……

おかしな文章があるかもしれませんがお許しください笑

楽しんで読んでいただけると光栄です。



「おい、授業おわったぞー」


誰かの声が聞こえたと同時に肩を軽くたたかれた。

ゆっくりと顔をあげると拓海が正面に立っていた。


「おはよう……」


また寝てしまった。物理の教授は催眠術でもかけてるかのようにすぐに眠くなってしまう。ゆっくり低い声で話すのが原因なんだろうな。


「お前また寝てたな。ほら、またノート貸すから」


俺にノートを貸す前提でいたのだろう。鞄になおさずに手に持っていたノートを渡す。


「ありがとう、本当に助かる。それにしても拓海って絶対授業寝ないよな。」


「そりゃ寝ないに決まってるだろ。何のために多大な金額を払って大学に来たのかを考えれば一切寝ることなんてないぞ。」



 さすが拓海だなと思った。こういう考え方をする拓海を僕は尊敬している。

 拓海は世界でもっとも天才であると言われている山下哲朗の息子である。

2年前に打ち上げは絶対不可能と言われたロケットを見事打ち上げに成功させたことで一躍有名になった人だ。そんな父親をもつのだから、拓海が僕らと少し違った考え方をするのは納得がいく。

拓海がお腹を擦りながら言う。


「早く一緒に昼飯食べにいこうぜ。」


「あーっ……悪い、俺今日は昼飯一緒に食べようって約束してるんだ。ノートまで借りたのにごめん……」


「俺の幼馴染みの友達と一緒でも平気なら別だけど」


「別に俺は人見知りじゃないから守の友達がいても平気だが」


「そうか…、わかった」



 拓海の答えが早くて驚いた。さすが拓海だなとまた思わされてしまった。二人に一応連絡しとくか。光希も美咲もすぐに人と仲良くなれる性格だから大丈夫だろう。

 待ち合わせの時間に遅れているので、とりあえず待ち合わせの場所に急いだ。


 待ち合わせの場所に行くと、美咲と光希が待っていた。


「ごめん!待った?」


「全然ー!俺らもさっき来たところだよ」



 僕は安心して、深いため息をついた。二人とも長い間待たせているかと思ったからだ。

僕は小さい頃から母親に人を待たせることは絶対にするな!

とよく言われていた。母親が言うには、待っている間に人はあれこれ想像し、何も使わずに不快な気持ちにさせてしまうからだそうだ。

 待たせてなくてよかったと心の中で軽くうなずきながら、光希と美咲に近づく。

拓海は光希と美咲を見ると、二人に軽くお辞儀をする。



「山下拓海です。よろしく」


「うわ!あの山下哲朗の息子さんでしょ!すげっ!

俺、半田光希!よろしくたくぴー!」


 でた。すぐにあだ名をつけたがる光希の癖だ。そのくせに、あだ名をつけるセンスが全く感じられない。


「私、桜井美咲です。よろしくね」


お互いに自己紹介してる姿を見る限り、なんとか仲良くなれそうな気がしたので安心した。


 とりあえず僕達は学食のメニューを見て、何を食べるか決めた。

偶然4人とも同じ唐揚げ丼を頼んで、席に座る。

唐揚げ丼を食べながら、拓海と仲良くなるために皆で最近の話題などを話し合いながら、お互いの仲を深めていった。


 どれくらい経っただろうか。

周りの雰囲気がとても良くなってきた時、

 不意にに光希が口をひらいた。


「俺昨日変な夢を見たんだよね」



いきなりだったので驚いた。まさかと思いつつ、僕はすぐに反応してしまい、席を立った。


「どんな夢だった!?」


「どうしたんだよ、そんな真剣な顔して」


周りを見ると皆驚いた顔をしていたので、座って落ち着いた。


「なんというか、凄く長い夢で全く覚えてないんだけど、これだけははっきり覚えてるんだ。」


「何故か知らないけど夢の中で僕らが毎年花火を見てるあの公園で夜空を眺めて立っていたんだ。そしたら、不思議な光景を見ちゃってさ……」


まさかと思いながら僕は唾をのみこむ。


沈黙が少し流れ、光希は微笑んだ顔で口をひらく。



「地球が夜空に浮かんでいたんだ……」



そんな……

一瞬頭の中が真っ白になった。

光希は夢で俺と同じ光景を昨日見ているだと。そんなことは絶対ありえないと思っていると、美咲まで変なことを言いだした。


「え?偶然ね。私も光希と同じ夢を見たよ。夢なのに現実味があって気味が悪かった」


信じられなかった。光希も美咲も僕とほとんど同じ夢を見ている。なにがなんだかわからなくなってきた。


 僕は夢の中で1日という時間を過ごす夢を見ているが、確かに夢の中で夜空に地球が浮かんでいる光景を目にする。話を聞くところによると、光希と美咲は夜空に地球が浮かんでいることだけしか覚えてないみたいだ。印象に残る場面だったからなのか。


光希は俺の顔の表情をみて言う。


「まさか守もなのか?」


僕は軽くうなずいた。


「三人とも仲が良い上に同じ夢を見るなんて羨ましいな」


「拓海は見てないの?」


「見てないね」


偶然にも程があるだろ。

昔から仲の良い僕ら三人が同じ夢を見るなんておかしすぎる。何か原因があるはずだと思った。


 結局、同じ夢を見るなんて凄いねみたいな流れでその話は終わってしまった。皆なぜもっと驚かないのか僕は不思議でたまらなかった。

そのまま昨日のテレビ番組の話なんかりして盛り上がって、昼飯を食べ終わり、用事があるとかないとかで解散した。





僕はとりあえず急いで家に帰った。家に着くとすぐにパソコンをひらいて検索してみた。絶対に検索しても出てこないだろうとおもいながら。


『夢にでてくる地球』


「え……」


おもわず声が漏れてしまった。

何故か検索したらでてきたのだ。しかも、検索結果件数がなかなか多いことに気づく。


 調べたところ、世界中で少数の人々が僕らと同じ夢を見ているようだ。至るところに夜空と地球の文字がある。

 でもやっぱり皆夜空に浮かんでいる地球の夢しか見てないようだ。

僕が見ている、夢の中で1日を過ごし、夜になると地球が浮かんでいる光景が見れるという夢は誰も見てないようだ。


不思議に思いながら詳しく調べていくと、一人だけ妙なことを書き込んでいる人がいた。


『私は皆さんと同じ夢を見ていますが、少し違っていますね。私が調べたところ22時から24時までの間に寝ないと皆さんが見ている夢は見れないですよ。』


「こいつ何いってんだ?」


 名前はトラオム・テールと名乗っているみたいだ。変な名前だな。

名前はどうでもいいとして、気になったのは僕と同じで皆と少し違っていること。

この人も丸1日の夢を見ているのかもしれない。


そして、22時から24時に寝ないとあの夢を見れないということ。



 確かに今日の1限目の授業で寝たときは夢を見なかった。

もしかしたら、この人の言っていることは正しいのかもしれない。


 色んなことを考えながら一人一人のコメントを見ていったが、皆地球が見える夜空の夢を見たと同じつぶやきばっかりだった。


 そんなことをしているうちにいつの間にか22時を回っていた。

こんな早く時間が進んでいるなんて。どんだけ夢中になってるんだよと自分につっこむ。

そういえば、トラオム・テールと名乗っているやつが言っていた時間だな。



 疑うより信じてみようと思った。

とりあえずまた夢を見れば何かがわかるかもしれない。


 夕食と風呂を済ませて自分の部屋に入る。

時計を朝7時にセットして、布団に入る。

なんとかしてこの奇妙な出来事を解決してやる。これは偶然なわけがない。

次に目が覚めた時は夢の中だろう。


 時計を見る。時計の針が11時を指している。しばらくすると身体が温かくなってきて、段々と眠気が襲ってきた。


意識が薄くなっていき、僕はゆっくりと目を閉じた。




























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