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夜空のむこう

初投稿です。文章力がなくおかしなところがあると思いますがお許しください(笑)

読んでもらえると嬉しいです。

よろしくお願いします。



――もうあれから何年立つだろう。


あの日、夜空に浮かぶ星がいつも以上に輝いていた日。

いつものように夜空を眺めていた。

風が心地よく、最高の天体観測びよりで、夜空を見ないと勿体無いと思うくらい天気が良い。


――けれども何かがおかしい……

それは一瞬にしてわかった。

僕が目にした夜空の光景には月でも彗星でも火星でもない……



無数の星が広がる中にただただ美しい地球があった――




ジリジリと耳元でいつものアラームの音が聞こえる。うっすら目を開けると

午前7時を指した時計が見える。少しずつ目に眩しい太陽の光が差し込んできたと同時にあの光景を思い出してしまった。


「―っ、またあの夢か……」


それもそのはず、3日前くらいからいつも同じような夢を見るようになったのだ。


    

――夢の中で現実と変わらず、1日という時間を過ごす夢。



ただ現実と違うところは、夢の中の夜空には僕達が今生きている場所のはずである、

あの美しい地球が夜空に浮かんでいるのだ。

いつも月が見えているはずの場所に、何故か地球が見える。

想像するだけで気味が悪くなるが、


――地球から見る地球は息をのむほど美しかった。


あの地球が見える夜空を見ることによって、今自分は夢を見ているということがわかるのだ。もし、いつものような月が浮かんでいる綺麗な夜空であれば、夢の中で過ごした1日が現実だと認識しているだろう。

夢と現実の境目がはっきりとわかることができる唯一の方法である。


窓を開けて寝ていたせいで少し肌寒く、布団からでたくない。



「守~!ご飯できたわよ!早く起きなさい!」


「起きてる、起きてる……」



どこの家庭もこんな感じで母親に起こしてもらっているのだろうか。大学生までにもなって母親に起こされる僕は昔から全く成長していない。そんな僕がひとり暮らしをしたいと母親に言っても心配される理由がわかる。


急いで布団から起き上がり、顔を洗う。最近夢を見ているせいなのか、顔色が悪い。もう何度か顔を洗い、テーブルに置いてある一口サイズに切られた林檎を食べながら学校にいく支度を済ませる。



「じゃあ、いってくる」


「あまり自転車とばさないのよ、車には気を付けてよ」


「わかってる」



ドアを閉め、すぐに自転車に乗る。丘の上にある住宅地に住んでるので、自転車で坂を下るときのあの風をきる感じがとても気持ちがいい。車と同じくらいのスピードで下っていき、平坦な道に出る。

ゆったりと川沿いを漕いでいくと、あいつらの声が後ろから聞こえてきた。



「おい守ー!今日暑くねーか?」


「守君おはよー!」



 後ろを振り返ると光希と美咲が後ろから自転車で近づいてきた。


「お前ら朝から元気だな」



 光希と美咲は僕の仲の良い幼馴染みで、小学から大学まで同じだ。皆同じ学校に行こうと話し合ったわけでもないのに偶然同じ学校になったのだ。

 あの奇妙な光景を見るより気味が悪いかも……

 正直二人とまた同じ大学に通えるとわかったときはとても嬉しかった。大学では僕だけが理系という方向に進み、あまり二人と会う機会は減ってしまったが、今日は皆で昼飯を食べようと約束をしている。



「昨日の花火綺麗だったね」


「星野公園から見る花火は絶景だよな!守」


「そうだな」



 昨日は三人で家の近くの公園から毎年遠くの都会のほうで行われている花火を見た。丘の上にあるだけあって公園から見る夜景は本当に絶景で、何時間でも眺められる。

遠くにあるビルが小さい。花火がビルのあたりで打ち上がっている。花火の音が遅れて聞こえる。満月が輝いている……



 この先の未来は誰も予測できないのは知ってる。嬉しいこと、悲しいこと、多くの出来事が待ち受けているだろう。苦しくて死にたくなることもあるかもしれない。

けれども、どんな出来事が起こってもこの先ずっと三人で同じ時間に同じ場所であの公園から見る夜景を見ていたい。

ふとそう思った。


 

 僕達はいつものように平行に並んで、自転車を漕ぎながら会話をする。

決めたわけではないが、いつも左から僕、美咲、光希の順番である。今日はやけに風が強く、漕いでもいつものように進まない。


 右を振り向くと二人が楽しそうに何かを話している。美咲の長い黒髪が風になびいて、光希の顔があまり見えないが、眼鏡が昨日と変わっていることには気がついた。



「光希、眼鏡変えた?」


「おーー!よく気がついたな。さすが俺の友よ!」


「私気がつかなかった」


「眼鏡の色と形はあまり変わってないのによく気がついたな。俺のことそんなに好きか?」


「だまれ」



 皆高々に笑う。美咲が楽しそうに笑っている。美咲の笑顔はいつも素敵で見惚れてしまう。昔はそんなこと一度も思ったことがなかったのに。

光希も満面の笑みで笑い声をあげている。

当たり前の光景なのに。いや、当たり前の光景だからこそかもしれない。


ずっとこうやって三人で笑っていたいと思った……



  ************************







「じゃまた昼頃な」


「おう」


 大学に着いた僕は光希と美咲と別れ、一限目の授業を受けに行った。時間ギリギリに着いたのか教室の席がほとんど埋まっていたので、とりあえず前の方の席に座り教材をひらく。頭の中で今日の予定を把握する。


 今日は昼で授業が終わり、光希と美咲と昼飯食べたら家に帰るのでそれまで頑張ろうと思った。大学の教授が黒板に色々と数式を書いていく。

何の数式か理解できず頭がぼーっとしてきた。まばたきをする回数が増えていく。意識が遠退いていく。


 僕はいつの間にか目を閉じていた……








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