表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MIMIC(ミミック)  作者: 福島崇史
99/177

狂乱と苦痛

ピアノの音が響くと共に、観客達の目に精気が宿る。いや、それは精気というより狂気と呼ぶのが相応しいか、、、

そして木石の如く動かなかった連中が、赤く目を血走らせながら、そろそろと立ち上がる。


「ぬう、、、まずいぞぃっ!」


室田の叫びに有働が応じた。

「確かにヤバい空気だな、動きはトロいが数が多過ぎるっ!一先ず俺達も下に降りるからよ、楓ちゃん、兄弟、それまで持ちこたえてくれっ!!」


「当然っ!!」


「ダレに・ものヲ・イッテいる!!」


楓が孫六ブレードを抜き、ニコライもハンドガンを構える。

しかし、、、、


「ならん!殺してはならんぞぃっ!!」


「な、、、?」


「!?」


室田の台詞に楓とニコライが、信じられない物を見るかの様な目を向けた。


「オイオイ!爺さん正気かっ!?こいつらはどの道死ぬ運命の死刑囚だぜっ!?」


「それでもじゃっ!!ワシ等の敵はミミックであって人間では無い。人間を救う為の旅で人間を殺しとっては主客転倒じゃろうがっ!!」


「チッ!お得意のヒューマニズムってか、、、~ったよっ!!ただし手足の1~2本はイカせて貰うからよ、そこは目を瞑れよなっ!

オイッ!ヤコブッ!!聞こえてっか?とりあえず俺達も下に向かうぞっ!!」


(ザ~、、、ガガ、、ガガガ、、、)


「ヤコブッ!?」


「あ、あぁ、すまない、、、インカムの調子がどうも、、、わかった、一足先に下に向かうっ!!」


「ったく、どうりでさっきから無口だと思ったぜ、、、とにかく頼んだっ!俺も直ぐに追い付くっ!!」


通信を行っている間に動き出した観客達は、目につく者を無差別に襲い始めた。

前後左右、手近に居る観客同士で

殴り合い

蹴り合い

投げ合い

噛みつき合う、、、


その動きはゾンビの如く緩慢ながら、一切の容赦が無い。やはり人間らしさや理性は完全に失われているらしい。

背後から襲われぬ様、最奥の壁際に室田を押しやり、その前に立ち塞がる楓とニコライ。

幸い暴徒と化した観客達は未だ同士討ちに夢中で、室田達の方へは意識を向けていない。

しかしそれも時間の問題と言えた。

そして、、、


「クッ!、、、あれ、、、?」

楓が頭に手をやり、、、


「グゥッ、、、」

ニコライが顔をしかめる、、、


「ぬぅ、、、こ、これか?お、お主が言うておった苦痛っちゅうのは、、、?」

そう言いながら室田は、頭上高くで指を躍らせるショパンへと視線を投げた。


「フフフッそうだよ♪ある高音域では強烈な頭痛が襲い、そして、、、」

ショパンが言うなり、今度は皆が腹部を押さえながら腰を折る。


「クウッ、、、」


「グハッ!」


「ンヌゥ~、、、」


「ある低音域では内臓へと衝撃が走るのさ♪」

まさに見下しながらショパンが言い放ったその時、ホール1階の扉が勢いよく開いた。


飛び込んで来たのはヤコブ、そしてその右手にはS&W(スミス&ウエッソン)M686コンバットマグナムが握られていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ