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MIMIC(ミミック)  作者: 福島崇史
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告白 2

自然界には再生能力を持つ生物が多数存在する。

最も有名なのはトカゲであろう。

しかしトカゲは尾のみの再生能力ゆえ、脊髄を破壊されてしまえば足などが再生する事は無い。

そこで室田が注目したのは

「ホヤ」

「プラナリア」

「クマムシ」

であった。


「意外かもしれぬが、ホヤの一種

(キクイタホヤ)

はゲノム配列が驚く程に人間に似ておる。

なんと、77%が一致しておるのじゃ。

そして(プラナリア)、、、

どこを切断しても再生する、それもただの再生では無い!

2つに切れば2体に、5つに切れば5体にと、分裂した上で再生する。

そして何より、最強生物と呼ばれるのが

(クマムシ)じゃ。

熱帯から極寒、高山から超深海とこの地球上のどこにでも対応出来る、、

更には無代謝の休眠状態になったなら、紫外線、X線、ガンマ線と全ての放射線にも耐えおる、、、まさに不死身じゃ。

まぁ、お前達に難しい話をしても解らんだろうが、、、

とにかくこれらの細胞を配合する事に成功したのじゃよ、、、」


「正直に答えてね、、どれ位の期間で?」

楓の問いに室田の身体がピクリと跳ねた。


「お前は鋭いのぅ、、、2年、、じゃよ、、」

その答えに驚いたニコライ、スコープが忙しなく動いている。


「に・二ねんダト?いくラなんデモ・ハやスぎる!!」


「そうね、、どういう事かしら?」


室田は2人に顔を向けぬまま、苦い表情を浮かべた。

「それがワシの最初の過ちじゃて、、、先から言っておる通りワシは焦っておった。早く完成させ、必要としておる人達に届けたかった、、、そしてワシは守るべき手順を破ったのじゃ」


「テじゅん?」


「ウム、、、本来ならマウスでの実験から積み重ねるデータを、更に人間に近いという理由で、いきなり猿から始めてしもうた、、、お陰でというべきか、直ぐにアレが出来上がった。

がっ!アレは世に出してはならぬ物とワシは判断したっ!そして、そして、、、」


「データを隠蔽したのね?」


室田は数回頷いて

「その通りじゃ、、世間には落胆されたよ。ワシの研究は期待されとったでな、、、

ところが、こういう情報はどこからか漏れるもんじゃ。各国の諜報員がこぞって接触して来たわ(データをよこせ、、)とな」


室田はようやく2人に目を向けると

「そしてワシはお主達マシンナーズに目をつけたのじゃ。上手い具合に戦争が起こらなかった事で、世の軍部はマシンナーズを持て余しとったでな。

不本意に配置を変えられたマシンナーズは、退役しPMC(民間軍事会社)に居場所を求めとった。そこでワシはお主達の会社の筆頭株主となり、ガードを頼んだという訳じゃ。」


「なるほど、、、でもデータは渡さなかったんでしょ?」


「なら・ナゼ・ヤツらハ・アラワれたノダ?」


その問いに暫し押し黙ると、汚い物を吐き出す様に室田が言った、、、

「アイツの仕業じゃよ、、、」


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