表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MIMIC(ミミック)  作者: 福島崇史
7/177

質疑応答 2

「とにかくだ、、、今日の所は我による支配を告げるに(とど)めよう。

とりあえず当面は大きく変わる事は無い、暫く諸君は今まで通りの生活を続けてくれれば良い。

それと、付き合ってくれたお礼だ、、、

本日最後のショーをお見せしよう」


またもDが指を鳴らす。

すると先と同じく首脳陣の姿が一瞬歪み、再びその容姿を変化させた。

今回はDも含めた8人全員がである。

その姿を見た報道陣の頭上に疑問符が浮く。


確かに見覚えはある面々だが、どうにもはっきりと名が思い付かない。

戸惑う皆へ、姿を変え酷く恰幅の良くなったDが口を開いた。

「フム、顔や肉体を変えてもスーツ姿のままだとピンとは来ぬか、、、ならばこう言えば判るかな?、、、」

一瞬だけ間を置きDの吐いた言葉、、、それは


「鳴かぬなら、鳴くまで待とう、不如帰、、、、」


「!!!」

皆の脳裡を(いかずち)が撃ち抜く。

先まで高井戸首相だった男、、、Dの今の姿は確かに教科書で見たあの絵に似ているのだ。

そしてその他の7人。


ヒトラー、エジソン、ガウディ、、、判る顔が半分、未だピンと来ない顔が半分、、、

そこへ再びDの声が響く。

「やはり写真が残りし者の事は判っても、肖像画のみの者は判らぬ様だな、、、

ならば紹介しよう。ショパン、シェークスピア、ミケランジェロ、ノストラダムス、、、

どうだね、豪華であろう?どれも歴史に名を遺した者達だが、この姿とて我等の一部でしか無いのだよ。

さて、それはそうと、、、」


ここまで言うとスーツの左袖を捲ったD。

どうやら時間を確認したらしい。

「そろそろかな、、、」


その呟きを聞き逃さず、すかさず記者が問う。

「そろそろとは?」


「ん?いや何、めでたき今日の日に華を添えようと思ってな、大きな花火を用意しておいたのだよ。その打ち上げの時間がそろそろだと思ってね」


「花火?」


「そう、それも特大のな」

Dの口角が歪に上がる、、、


「その花火はこの場所で見れるのですか?」

そろりと尋ねる記者だが、何故だか汗が止まらなかった。


「フフフ、まさかまさか。

いや、実はね新世界創造にあたり、邪魔にしかならない国が幾つかあってね、、、」


「ま、まさか、、花火というのは、、、」

記者の顔がみるみる青ざめた。


「フム、そうじゃよ。ミサイルという名の花火じゃよ」

家康の顔でありながら、その口からミサイルという単語が吐かれる、、、それはシュールな絵面だが、勿論誰一人笑える者など居ない。

押し黙る者達を他所に、軽い口調でDが言う。


「さて、それではそろそろ我等は御暇(おいとま)するとしよう。これより我はある場所にて暫し過ごす事となる。

そこでだ、この中継にて我等の正体に気付きし者よ、勇気あるならば訪ねて来るが良い。

場所は明言せぬが、定期的にヒントは与えよう、、、待っておるぞ」


「ヒントとはどこで見れるのですか?」


「近く、動画サイトにチャンネルを開設する。賢しき者が我まで辿り着かん事を、、、」

それだけ言い残したD、他の首脳陣同様車に乗り込むと、長い列を成し警備隊と共に姿を消した。


その場に残された報道陣は、未だ目の前で見た事を受け止める事が出来ずにいる。

それはテレビの前の者達も同じであった。

そして彼等の目にするテレビ画面に電子音と共にニュース速報が流れる。


ピッピーピッピー♪

(A国とB国に複数の弾道ミサイルが着弾した模様。詳細は未だ不明、、、)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ