#7 ウサ耳、ネコ耳。獣人族のメイド喫茶はミニスカがデフォらしい。
「早く探し出せ!!」
遠くの方で、あのアンジェリカの声が聞こえる。
さらに動員された甲冑を身にまとったブルマ姿の騎士達が俺の行方を捜していた。
「くそ、全裸だった為に誰一人奴の顔を覚えていない。それにすぐ跳躍し逆光になってしまったからな。全裸以外手がかりがない」
「もし奴が服を着てしまったら、捜査は終了ですか」
「むぅ、止むを得んがな。リールーの裸体を見た不届きものめ、悪運が強い」
アンジェリカとその部下の話し声に意識を集中すると、そんな会話が耳に入った。
俺のチート級の耳はとても良いらしい。
「ふぅ、警戒警報解除ってところか」
俺は肩で呼吸をする。
「お客さん!」
すると突然後ろから声がした。
「ねぇ、おきゃーくさんってば!!」
「えっ!?あ、お、俺っ!?」
後ろを振り返ると、そこに立っていたのはメイド服の女の子。
緑色の髪にカチューシャを嵌め、その厚手の生地からもしっかりと巨乳であることが見て取れる素晴らしい身体つきをしている。
そしてそのスカートはメイド服なのに、ミニだ。太ももをバッチリと見せている。
そして彼女の頭には。
「猫耳?それって猫耳カチューシャ?」
「何言ってるのよ。自前よ、じ・ま・え!」
そして小さなビラを手渡した。
「獣人族のお団子屋」と書かれ、『お食事一回無料券』と書かれていた。
「私はローチェル。この店のメイド長よ」
そう言って耳をクルクルと回しながら、腰に手を置くローチェル。
「おいしいの?」
「もちろん!!」
胃に意識を集中すると空腹感を感じた。なんだかドタドタしてたから、一旦落ち着こう。タダだし。
「分かった行くよ」
「よしきた!」
そこで俺は質問した。
「なんでメイド服なのにミニなの?」
するとローチェルは「え?だって動きやすいじゃない」と普通の顔で言い放った。
え?なんなの、その動きやすい理論。
ま、俺はうれしいけどさ。
俺はローチェルの後について行き店の中へ入っていった。
○●○●
「いらっしゃいませ、ご主人様ぁ♪」
そこにはローチェルと同じ格好をしたメイドさんが一斉に出迎えてくれた。
どの世界にもメイド喫茶ってあるんだな。
そして俺はテーブルに座ると
「いらっしゃいませ、ご主人様」
と一人の女の子が接客に来る。
「失礼します」
彼女は俺におしぼりを開いて手渡した。
うむ、サービスが行き届いている。
と俺はエラそうに分析。
そして彼女の頭を見ると、うさぎの耳が伸びていた。
ウサギの獣人か。
彼女は恥ずかしそうにしながら
「私入ったばかりで///この制服もまだ少し恥ずかしいんです/// 」
顔を赤らめながら、脚をモジモジとさせている。
するとウサ耳も恥ずかしそうにクニャッと折れ曲がった。
反則気味に可愛い。
「あの、お店のルールで、これどうぞ」
と彼女は両手で名刺を差し出した。
そこには「ちぇるしぃ」という名前と短い自己紹介が書かれていた。
良かった。
この世界に来て良かった!!
そう実感しながら俺は「三色団子と緑茶のセット」を注文した。
あ、結構旨い、もちもちしてる。
梅、素甘、よもぎが緑茶とマッチする。
は〜、落ち着く。
「きゃっ!!」
ちぇるしぃは、くそっ、ダルい、チェルシーの小さな悲鳴が聞こえる。
俺は緑茶を啜りながら、その悲鳴の方を向くと彼女が四つん這いになっていた。
「転んじゃったよ」
ウサ耳をヘナらせながらそういうチェルシー。
だが、彼女のバックショットは完全に俺の方を向いていた。
純白の下着とプリッとしたお尻がむっちりした太モモと共に俺の網膜を蹂躙する。
え?
何、この突然のサービスシーン。
俺は動揺しないようにお茶をすすりながら、彼女の四つん這いの「バック」姿をチラチラ眺めると、その視線に気づいたのかチェルシーは真っ赤な顔をして立ち上がるとスカートを押さえた。
「み、マミマミたか?」
チェルシーはおそらく「み、見ましたか?」と言いたかったのだろうが、恥ずかしさに気が動転しているのか、壮大に噛んだ。
「いや、白い下着なんて見てないよ」
「見てるじゃないですか!!!!////////」
彼女のウサ耳がピンと伸び、感情を露わにする。
バカバカと、半泣きになりながらキッチンに戻ると、緑茶をすすりながら俺は改めて思った。
良かった。
この世界に来て良かった!!