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#5 ヒント。試着室に勝手に入らないように。特に全裸では。

「ルーニー!!堂々と立っているが、甲冑は割れているぞ!!」

「え?嘘!?きゃーーーっっっ!!!!」

ルーニーと呼ばれたブルマ騎士は、両手で胸元を隠し

「どおりで軽いと思った」

などと言いながら、顔を赤らめてその場にしゃがみ込んだ。



なんだ、ええ?騎士でも可愛らしく声を上げるじゃないか、苦しゅうない。

いやいやいやいや!!!!何言ってんだ俺、しっかりしろっ!!!!



俺の頭の中では、『代官のような悪魔』と葛藤する『自分』が存在する。

「貴様、嫁にも行っていない我が部下の裸体を見る為にかっちゅうを破壊したのか!!猥褻物陳列に加えまだ罪を重ねるのか!!??」

「違うって!!軽く石投げただけだから!!」

これは本当だ。

俺のSS級スキルはどうやら本物らしい。

そこはルーレットの電池を忘れたあのバイトの神様に感謝だ。

しかし全裸で広場に転生さすとは、やはりバイトのそれだ。雑い。

「とにかく俺は怪しいものじゃ無いんだ!!信じてくれ」

俺がそう言うと

「貴様全裸でよく言えるっ!!そんな事は無理だ!!誰がどう見ても怪しいぞ!!」

と間髪入れず返答される。

「問答無用!!」

一番先頭にいたアンジェリカと呼ばれていた隊長らしき女騎士が剣を抜く。

そして俺にその剣尖を向け、襲い掛かってきた。



「マズいっ!!」



俺はすかさず跳躍する。

その時にこれ以上無い筋肉の収縮を自分の太ももに感じた。



バシュッ!!!!



「え?マジかよっ!!」

俺が声を出したのは、その視界。

遠くの山々が見え、地が遥か下に見える。

広場に在るどの建物よりも高く、ジャンプしていた。



まぁ、その。もちろん全裸なのだが。



ただ運良く背中には太陽が有り、俺の裸体は影となった。

「くそっ!!太陽を背にするとはっっ!!!!」

俺はそのまま地を踏み締め、風のように駆け抜けた。

そして身を隠す為に一軒の建物に入る。



○●○●



「っしゃいませー」

そこはちょうど服屋だった。

「ラッキー!ちょっと店の人、緊急だから一着もらうよっ!!」

「あ、お客様っ!!」

俺は素早く自分の背丈にあった服を手に取ると、試着室らしい仕切りのある小部屋に身を隠した。



シャッ!!!



カーテンを引く。



「すいませーん、まだ着替え終わってないんですよー」

と中から声。

「え?」

「え?」



俺はそこに居た、まさにこれから着替えをしようと服を胸までめくり上げた女の子と目があった。



銀色の長髪が美しく、正統派と言える美形。

そして括れ、胸、お尻、全てが完璧だ。



へぇ、純粋そうな顔して下着は黒のレースなんだ。

そして俺は全裸。

その女の子の顔が徐々に引きつっていく。



はい。オワタ^o^

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