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失われようとも

今日髪を美容院で切ってもらいました。

背中の半分くらいまであった髪を胸の上らへんくらいまでです。

やたらと量が多いのですいてと頼んだら物凄くすかれてました。


元々はしばるとまさに狐の尻尾のようにぼふっとなるのですか現在はネズミの尻尾を短くした感じです。


ちょっとさびしい。




8月7日 主人公の偽装ステータスでサブが魔導師になっていたのを操術師に変更。





プレーヤーがいると思われる中央広場に二人で向かっていく。

しばらく歩くと、声が聞こえ始めた。

耳を澄ますと鮮明に聞こえてくる。


怒鳴り声

叫び声

悲鳴


ひどく混乱しているようだ。

当たり前か。

いきなりゲームの中に閉じ込められて、HP0になったら死にます、なんて言われれば。

別にどうでもいいけど。


繋いでいた手を放す。


流石に場違いになるのだ。


ローブについているフードを深くかぶりなおした。


次第に見えてくる人の集まり。

中立国というだけあって結構な種類の種族がいた。


見えてくる人々?は

怒って怒鳴り散らしていたり

泣きわめいていたり

呆然としていたり

なかには少数だが興奮している者もいた。

話を聞く限り自分が皆を救って英雄になるだとかほざいている。


ああ、なんて五月蠅いのだろう。


「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「いったいどうなっているんだ!?このゲームは!?」


「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「運営はなにをしているんだ」


「なんだよ、これ」


「これって小説の展開か!?よし、俺が英雄になってやる!!!」


黙ればいいのに。

消えればいいのに。


そんなことを思いながら人ごみに紛れる。


しばらく兄弟たちを探していた。

しかし、


「いないな。どうやら違う街らしいな」


「・・・ん」


どうやらハズレだったらしい。

兄弟たちはどうやら違う国にいるようだ。


粗方全体を探し終えた。

だいたい1500人くらいだろうか。


正直人ごみは苦手である。


五月蠅いし

邪魔だし

絡まれるし

熱いし

空気汚いし


もううんざりだ。


「これからどうする?」


そう問いかけてきたディーにぃに答える。


「しばらく別行動。ディーにぃは魔国ヴェルゼ、私は獣国エルヴンガルテへ行く」


「お~、わかった。これ、もっとけ」


そう言ってくれたのは何かの札5枚と、おそらくシルバーできた赤黒い腕輪。

腕輪は薔薇がモチーフとされたとても可愛いものだ。

色は不気味だけど。

まるで血に染まっているようだ。


分析スキルを使うとこうでてきた。




転移札(1人用)


隠しエリア『血濡れし館』へ一回転移できる札。

一人用。



吸血王の血液の腕輪


吸血王の側近である証。

吸血鬼やそれに準じる者からの攻撃を受けなくなる。

吸血王の血液でできている。



「ひゃ!?」


思わず腕輪を落とすところだった。

血液!?血液って!そのままの意味だよね!?

どうやって腕輪の形にしたんだろう。


「それ、インベントリなか入ってたの。シュオンも似たのあるかもよ」


ちょっとインベントリを探してみた。


スクロールしていく。


そして、発見。

10個くらい入っている。

取り出してみた。


それは九尾の狐が紅い宝石の玉を咥えたデザインの黒い・・・タトゥ・・・?




千年九尾の妖狐のタトゥシール


千年九尾の妖狐のお気に入りの証。

狐人族、狐系モンスターからの攻撃を受けなくなる。

貼るところは自由。





「お、たぶんそれだ。くれ」


「ん。ちょとまって」


メニューを開き、慣れない動作で実体化させる。


ついでにスキルで5枚転移札を作り、タトゥと一緒に渡す。


「さんきゅ」


そういってディーにぃはにこっと笑って受け取った。

まあ、笑ったといってもほんの少しだけど。


相変わらず表情筋は機能していないようだ。


しばらく眺めていると、ディーにぃの鎖骨あたりにタトゥーが浮かんだ。

どうやらそこに貼ったらしい。


私もディーにぃからもらった腕輪をつける。

でも、巫女服の袖に隠れてしまって見えなかった。

まあ、仕方ない。


ちょっとめくればしっかり見えた。


「じゃあな、連絡は必ず寝るときと起きた時によこせよ」


「ん」


「無茶すんなよ」


「ん」



相変わらずの過保護さに呆れながらも、ちょっとうれしい。


「しばらく、別行動だ。兄弟見つけたら、知らせろよ」


「ん。じゃあ、またね」


「ああ、またな」


そういって二人は別れた。






少女は嗤う。


妖艶に

可憐に

儚げに


「まっててね?わたしの愛しい、大っ嫌いな兄弟サマ」


クスクスクス


少女は嗤う。


背後の喧騒や叫び声をBGMにして。


そして少女は掻き消える。


それを目撃した者は、誰もいない。








くるくるくるくる。


歯車は廻る。

歪んだまま。

歯車はもう、止まらない。
















あれれ、呪怨さんだいじょ~ぶデスか~?


ヤバい。

呪怨さんが病んでいる。


最初はそんな気なかったのに。

いつからこうなった?

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