壊れようとも
「ご馳走様でした」
ぼそり。
小さくそう呟くと立ち上がり、宿の外へでる。
やりたいことは山ほどあるが、まずは行かなければならないところに行く。
しばらく歩いてたどり着いたそこには、剣が交差した看板が立てられたところだ。
ここは冒険者ギルド。
ギルドは冒険を進めておく上で入っておいて損がないところだ。
登録するともらえるギルドカードは街などへ入る時の通行証や身分証明書になるし、
クエストを受けて達成すれば報酬がある。
いろいろと専用の施設を使用出来たりもするし、割引もある。
冒険ギルドには2つの種類がある。
冒険者ギルド
商人ギルド
そう呼ばれるギルドは、冒険ギルドが討伐・探索、商人ギルドが生産・商売専門のギルドだ。
今自分がたっている目の前にある冒険者ギルドは木造で、なかからがやがやと声が聞こえてくる。
扉を開けて入れば、さらにその声が増した。
フードを深くかぶり直して受付へ行く。
少々混んでいるようだ。
まあ、しかたない、並ぼうか。
「誰かPT組みませんか?できれば魔法職の方!一名募集中です!」
「前衛職の人、PT組んでください!」
「おおぅ、ねえちゃん。えらい美人だねえ。俺たちと一緒に遊ぼうぜぇ?」
聞こえてくるPT勧誘の声。
おい、最後の奴。
お前、その美人さん殺気立ってるぞ。
まあ、興味はない。
「次の方~」
ぼーっとしているうちにどうやら順番が来たらしい。
受付の人に目を向ける。
ベリーショートの赤い髪にピンクの瞳のけっこう華奢な女の子だ。
見た目15~18歳くらいかな?
けっこう美少女である。
「ようこそ、冒険者ギルドへ!何のご用でしょうか?」
笑顔でそう聞かれた。
「登録をしたい」
「登録ですね。では、この用紙に必要事項を記入してください」
さっさと書く。
終わって用紙を受付嬢に渡す。
「はい。・・・確認しました。では、この台の上に手を置いてください」
だされた台は手形のような所があって、そのうえに水晶が嵌っている。
おずおずと手を乗せた。
「少々痛いかも知れませんが、我慢してくださいね?」
そういい笑顔で言われたと同時に、手にチクリと痛みが走る。
針か何かで刺されたようだ。
突然、水晶が淡い光を放つ。
色は白。
「はい。登録が完了しました。その隅にある水晶に触れて念じますと画面が現れます。自分にしか見えないのでご安心を。冒険ギルドの説明はいりますか?」
「お願いします」
「はい。
まず、冒険ギルドに登録された方々の事を冒険者とよびます。
冒険者にはランクがあり、
F・・・初心者
E・・・駆け出し冒険者
D・・・一人前の冒険者
C・・・一流の冒険者
B・・・達人の冒険者
A・・・超人の冒険者
AA・・・人外の冒険者
AAA・・・化け物
S・・・英雄
SS・・・伝説
SSS・・・神
と、こんな感じになっております。
クエストにもランクが付いており、自分のランクと同等か1ランク前後のものしか受けることができません。
PTを組む場合、ランクが3つ以上離れていると組むことができません。
また、PTを組んだ場合一番下のランクの人から2ランク前後のものしか受けられません。
ギルドカードを紛失した場合、再発行にかなりの金額がかかります。
ギルドカードは所有者登録をして本人の魔力を込めていますので他者からの偽装は不可能です。
最後に、冒険者ギルドは、個人の諍いや生死に一切関与いたしません。
死んだら自業自得です。
説明は以上です」
「有難うございました」
「では、またのお越しをお待ちしております」
ふわふわの笑みでそう言われた。
死んだら自業自得、ね。
あのGMがいいそうなことだ。
あの受付嬢、いい性格してるな。見た目に反して。
ギルドカードをいじりなる。
どうやらステータス画面とは少々表示が違うようだ。
あと可視化もできるようだ。
便利だな。
ギルドカード
Name シュオン Race 九尾狐
Rank F
Job 巫女
Sub 操術師
Titie 虐殺者 下剋上
次回も遅くなりそうです




