例え
あ~、このごろ肩が凝りますね。
明日から部活地獄が始まります。
更新が遅くなるかもしれませんが暖かい眼で見守ってください。
現在、シュオンは『狼の森』へ来ていた。
相変わらず薄暗く少々不気味な森を、
襲いかかってくるモンスターを蹴散らしながら奥へ奥へと進んでいく。
そして、しばらく歩いた後立ち止まった。
「・・・ここらへんでいいかな」
そして、朝実験したことを検証する。
手の指先に魔力を集め、昨日と同じ様に形にして”思念操作”と”変質自在”の概念を込める。
最初は”思念行動”だったが、実験して”思念操作”のほうがやり易かったのでこちらにした。
思念を送って操作する。
そして、またただの魔力に戻して体内に戻したり出したり複数枚作ったり。
慣れてきたところで、モンスターを探した。
そして、でてきたのは4匹のウルフ。
ちょうどいい。
「さあ、実験をはじめよう」
クスクスクス
少女は嗤った。
とても愉快そうに楽しそうに残酷に、嗤った。
「グルルルルゥゥ・・・!!」
そんな少女を警戒するように狼たちは唸って威嚇する。
そのままジリジリと距離を詰めてきた。
刀を抜く必要は・・・ない。
手を水平に振る。
それに沿うようにして出現した、7枚の魔力盤。
「【魔装】」
そしてスキルを発動させる。
イメージに合わせて魔力がからだに纏っていく。
簡易な軽鎧の形をとり、両方の手首あたりから短剣の刃を模した魔力装甲が出てくる。
【魔装術】は発動時大量の魔力を消費するが、その機能は折り紙つきだ。
魔力をこめればどんどんか硬くなる鎧に、武器。
イメージによって形には自由がきくし、魔力だから動きが阻害されることもなく軽い。
てか重量がない。
しいかも武器などは半透明なので見えにくく探知されにくい。
イメージだって一回込めれば継続して込める必要はない。
魔力消費の激しさにさえ眼を瞑ればとても優秀なスキルだ。
「グルァァァァ!!!」
ウルフの一体が痺れを切らしたのか突っ込んできた。
それをぎりぎりまで引きつけてから躱しざまに切り裂く。
「ガァッ!」
その動作でできた隙をついてまた一体のウルフが突っ込んでくる。
しかし。
ガキンッ
それはあっさり阻まれた。
組み合わさった七枚の魔力盤によって。
少女は嗤った。
「性質変化:貫通・超加速・追尾、いけ」
そういった瞬間、組み合わさった七枚の魔力盤は一枚一枚に分解し、一気にウルフへ殺到する。
ヒュンッザンッ
それは弾丸の如き速さを持ってウルフを貫く。
それも一体では飽き足らず、次へ次へと襲いかかっていく。
哀れなウルフは全員躰を貫かれて息絶えた。
経験値120
狼の皮×4
狼の牙×3
狼の爪×1
戦闘終了を示すウィンドウがと同時に、かなりの疲労感に襲われる。
視界が歪み、少々ふらつくき軽く意識を持って行かれそうになった。
保っていられなくなり、魔力盤が消滅する。
ああ、せめて吸収すればよかった。
【魔装】で7割くらい魔力を持って行かれているのに。
こうなった理由は簡単だ。
一気に七つも違う動きをするモノを動きながら操ったのだ。
しかも性質変化で三つも新たに加え、形を保つこともずっと意識していたのだ。
そりゃあかなり疲れるに決まっている。
というか常人ならすでに廃人LVにまで達しているだろう。
「乱用は無理、かな。・・・・・ん~要練習かな」
樹の幹にもたれ掛りながら呟く。
結構というかかなり強力だが、一回一回意識を持って行かれそうになるのでは実用には程遠い。
まあ、とりあえずしばらくは【魔装】が使えれば問題なさそうだし、ちょくちょく練習すればいいか。
常時展開は1,2枚にしておこう。
少し回復したので立ち上がり、街への帰路を歩む。
さすがに疲れたしね。
こうして、シュオンの検証は成功とも失敗ともいえぬ形で幕を下ろした。
シュオンちゃんにも限界はあった模様。
充分そこまででもおかしいけどね。




