誓う
今回はっきりわかった。
私に説明するのは向いていない!!!
なんとなくわかっていただければ結構です。
宿の柔らかくも硬くもないベットから身を起こす。
まさに在り来たりなベッドである。
部屋は質素でベットと机とタンス、あと簡易な洗面所くらいしか置いていない。
まあ、これだけあれば十分なのだが。
メニューを開き、現時刻を確認すると現在は5:23と出ていた。
洗面所で軽く顔を洗い、手櫛で寝癖を直す。
寝るときにはずした装飾品を付け、乱れた衣を整えた。
ローブを着るかどうかはまよい、保留。
この宿には朝食が付いているのだが、開くのは確か7:00だ。
もう一度寝る気分でもないし、荷物の整理やスキルの実験でもしようか。
インベントリを開くと、こんな感じのものが入っていた。
・下級ポーション×5
・携帯食料×9
・千年九尾の妖狐のタトゥシール×9
・巫女服セット
・初心者の刀
・妖狐のお面
うん?
なんか知らないのまで入ってる。
巫女服セットとか刀とかお面とか。
なぜだろう?
まあ、いっか。
ていうか、ちょうどいい。
いまの巫女服ちょっと歩くの恥ずかしいし、刀はオーバーキルだ。
PT組むときにチートだとか思われたくないし。
一人の時は今の格好でもいいけれど、街歩くときは変えよう。
今日は、街を散策するつもりだったから、インベントリに入っていた巫女服セットを装備する。
巫女服は肩が割れているタイプの服で、袴はやっぱりミニスカート型だった。
髪飾りや指輪はそのままでいいだろう。
大鈴は似合わないから外した。
刀も『イヴクス』から初心者の刀に変える。
お面、これはどんなものだろうか?
調べてみた。
妖狐のお面
狐種族ボーナスとして手に入る面。
結構高性能。
スキル
呼吸補助
視界補助
隠蔽LV8
お、意外にいいものだ。
装備しよう。
装備すると、顔に被さる。
でも、しっかり見えるし、暑苦しくもない。
きっとスキルのおかげだろう。
位置も動かせるらしいので、顔の半分を覆うようにずらす。
現在の装備
初心者の刀
巫女服(上)
巫女服(下)
足袋(白)
下駄(黒に紅の鼻緒)
巫女の髪飾り
巫女の指輪
妖狐のお面
よし、これで装備と整理は完了だ。
今の時刻は5:42。
まだ時間はある。
実験するのは、魔力操作などの操術師のスキルだ。
LV50なのでそれなりの使い方が勝手にわかる。
まず、魔力操作はその名の通り魔力を自由自在に操るスキルだ。
魔力は世界のどこにでもあるものだ。
自然の中に含まれるものを魔素という。
魔力には実体がない。
魔力は体中を血液のように巡っており、心臓から生み出されると言われている。
魔力は属性に分かれている。
それは火炎・氷水・疾風・轟雷・自然・神聖・暗黒・虚無・時空の9つ。
魔力は概念、つまり思いを込めることによって如何様にも変化する。
使う魔力を決め、魔力を9属性に変換し、詠唱などで起こる現象を指定して外に放出するのが魔法である。
魔力を練る⇒変換⇒指定⇒放出
つまりはこのようになる。
魔力操作は魔法に必要な魔力をうまく扱えるようにするスキルである。
魔法を使おうにも、魔力を練れなければお話にならないし、放出するにも概念通りの形になるよう操る必要がある。
魔力操作はざっくりいえば、魔力を自由自在に変形させるスキルなのだ。
魔力具現化スキルは、魔力に概念を込め、それを具現化させるスキルだ。
つまり思った事を魔力で実現させるスキルだ。
例えば魔力に”硬い”という概念を込めるとする。
すると、本当に魔力は硬くなる。
こういったスキルだ。
干渉スキルはもともと実体がない魔力を世界に干渉させたりするスキルだ。
つまり実体のないものを実体あるものと世界に干渉し、思い込ませることで本当に実体あるものとするスキルだ。
このスキルにはほかにも相手の魔法に干渉して失敗させるといったえげつない使い方もある。
この3つのスキルは操術師にとってなくてはならないスキルだ。
魔力操作がなければ形にならない
具現化がなければただの光る粒子にしかならないし、
干渉がなければいくら硬くたってすり抜ける。
魔力操作で形を作り、
魔力具現化で性質を与え、
干渉で実体化させる
この3つの過程があってようやく魔力を操る操術師となれるのだ。
実を言うとこの職業は地雷と呼ばれている。
理由はまず、魔力具現化の時相当な思いを込めなければ実現しない。
魔力操作もまた然りでずっと形を保つにはその分戦闘中でさえも意識しなければならない。
そんなこと、不可能に近いのだ。
そんなことできるのは一種の化け物である。