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錬金術師の事件簿  作者: えみゅ
2/9

第二話「暁の依頼」

さて、前回の続きだ

私はこの人物「リン・モルゲンロート」を知っている

極秘部隊の隊長だ

しかし何故「極秘」なのにその隊長だった存在を知っているか

それは別に今語ることではないだろう

しかし言えることはある

私はこの人に救われた

「リンさん、お久しぶりです」

私はとりあえず挨拶はした

「うん、久しぶりだね、トイフェル・ゲッティン君」

トイフェル・ゲッティン

これは私の名前だ、あまり気に入っていない

「しかし、ずいぶんと成長したね、今じゃ国一の医療系錬金術師「女神の錬金術師」とまで呼ばれてるみたいだね」

いつからそう呼ばれたか、確かとある村の流行り病を治したときだった

「みんながそう思っているだけで、そんなにたいした存在ではないですよ」

私は「一番」という期待を背負うのが嫌だった

「それにしても、極秘部隊の隊長ともあろう人がどこを悪くしたのですか?」

リンさんは、体を起こして私の方を向いた

そして少し苦笑いしながら指で自分の頭をつついた

「記憶」

という一言を呟いた

「記憶・・・?」

私は逆に聞き返してしまった

「僕には妻と娘がいたんだ」

リンさんは、悲しいかおでそう言った

そしてこう続けた

「君も知っているだろ?とある村が一夜にしてやけ野原になった事件」

この事件は有名だ、何者かの手によって昼まで賑やかだった村が

一夜にしてなにもないやけ野原になったという事件だ

犯人については一切国から発表されてない、そこが疑問だった

しかし今では、その村もある程度回復した

ちなみにその時の死者数は奇跡的に0人

その村恒例の儀式のために村人はすべて出払ってたみたいだった

そんなことを思い出していると、リンさんはさらに続けた


「その犯人を僕は知っている」


私は何故かもう察しがついていた


「その犯人は」


リン・モルゲンロート

彼は暁の錬金術師

四大元素のひとつ「火」の超特化型の錬金術


「 僕 な ん だ 」


私は驚くというより、納得してしまった

彼なら村全体を消すことも可能だと

私は当然の疑問をぶつけた

「それと記憶になんの関係があるんですか?」

するとリンさんは

「僕は一度その記憶を失っていたんだ」

ようするに自分が犯人だということを忘れていた?

そんなことがあるのか?

「正確にはね、僕の記憶は何者かの手によって消された」

そんなことがありえるのか、人の記憶を消すなんて

「誰にそんなことができるんですか?」

私はさっきから質問ばっかしている

患者を診に来たはずなのに

「恐らく、ミッドポイントの裏に何かある」

それ以外に考えようがなかった

私は二つ気になることがあった

その一つを聞いてみた


「何で私にそんな話をするのですか?」


当然だ、私に話す意味などあるのか

そう考えるとリンさんはこう言った


「君も知っているだろう「錬金術師連続殺害事件」については」


その事件は最近起きて今最も国中で騒がれている事件だ

大総統直属の部下であった

豪腕の錬金術師 古の錬金術師 道化の錬金術師

いままでこの三人が同じ犯人の手によって殺されている

ちなみに何故同じ犯人かとわかるかというと

この三人を殺すためには、戦車4~5台は必要だ

そのような人達を殺す人間なんてたくさんいてたまるか

という発想らしい

道化の錬金術師・・・あの人も殺されてしまった

「殺されている錬金術師は相当な実力者だ、君のその錬金術も使い方を変えれば最上級の戦闘錬金術になる。だからこそ、そんな実力を持っている君だから、国の信頼がある君だからこそ、私から頼みたいことがあるんだ」

確かに医療系錬金術を使える人間は、ほぼいない

理由としては、みんな責任を負いたくないからだ

多少の怪我なら医者がいる

私みたいな錬金術は国から特別な保護を受けている


まぁ、私はそんな保護は断ったが


「頼みを聞く前に、もう一つ質問をいいですか?」

私はもう一つの疑問を早く取り除きたかった

「うん、わかった」

リンさんは二つ返事で返した

「 奥 さ ん と 、 娘 さ ん は 今 ど こ に い る ん で す か ? 」

・・・わかりきっていることを質問してしまった

しかし、このことを聞くことによって

リン・モルゲンロートという人物が


禁 じ ら れ た 錬 金 術 を 使 っ て い る 可 能 性 が 出 て く る


あいにく私はこう言う件に関しては鋭い

読んでいる人はおいてけぼりだろう

いずれしっかり説明をしよう


「事件が起きた日、そう村が消えた日」

リンさんは、語り始めた

「私の太陽と月も消えてしまった」

この二言だけを言ってリンさんは

「これ以上は僕の事情だ」

といって話を切った

「質問を聞いたから、私からの頼みごとを聞いてくれるかな?」

「もちろんです」

リンさんはほっとした顔をした

「すまないね、少しお茶を飲んでもいいかな?」

「大丈夫ですよ」

まぁ、結構話してたみたいだし喉は乾くだろう

リンさんはお茶が入ったコップを手に取ろうとした

しかし、コップを手で弾いて倒してしまった

「ごめんね、最近老眼で距離感がつかめなくて」

私はおいてあった紙を使ってこぼしてしまったお茶を拭いた

「お茶は、あとでもいいや。頼み事について話そう」

リンさんは、何事もなかったのようにコップをもとの位置に戻した

もしかしたらリンさんは・・・でも、考えすぎか

「他でもない、女神の錬金術師トイフェル・ゲッティン君」

「はい」

「私は君に、

ア  ニ  マ

というものについて調べてもらいたい」

・・・「人造人間アニマ」

医学に関わっている錬金術師は必ず聞いたことがある

人が人を造る、正直納得がいかない

そもそも、アニマを造るのに必要なものすらわかっていないのだ

「アニマですか・・・一応軍隊にいたときに習いましたけど、造り方すらわかってないんですよ」

「それについては当然僕も知っているよ」

「そして国家錬金術法で「アニマ及び人が人を錬金術によって造ることを固く禁ずる」と定められてます」

「もちろん、それを提案したのは僕だもの」

「はぁ・・・それで私にアニマの何について調べろと・・・?」

「 ア ニ マ の 存 在 に つ い て 

調べてもらおうと思ってね」

・・・ありえない

何が必要か、そもそも錬成陣の構築式すら誰も知らないというのに

どうしてこの世界に存在するアニマについて調べなければならない


存在などするはずが・・・


「本当にアニマは存在するのですか・・・?」

「アニマは存在するんだ」

「正直信じられません」

「だろうね、僕もそうだった、実際に出会ってみるまでは」

「出会う・・・あったことがあるんですか?」

「一度だけね、「アニマ」じゃなく名前があったんだ」

「人間・・・だからですか」

「そうだね、造られたとしても人間だ」

人間の定義は難しい

チンパンジーだって人間に近い行動をする

人とは・・・今は考えないでおこう

「あの子の名前は「カルディア」」

「その子について調べればいいんですね」

「出来ればね、今も生きてるかは・・・恐らく生きてる、あの子なら、まぁ10年前の事なんだけどね」

「わかりました、その依頼を受けます」

「あ、報酬はちゃんとあるからね」

「リンさんは律儀ですね、あえて何も言わなかったのですが」

「礼は人を人と繋げるものだよ」

「医者ですから、それはすごくわかります」

2話はこれで終わりだ

次は私の出番は最初に少しだけある

ちなみにこんなに固い口調は疲れるので

途中から崩れると思う

今回は私の少し昔・・・?時系列で言うと、軍で錬金術訓練を受けていた時代7~8年前の話をしよう

興味があったら見ていってくれ


 過去「女神の小話」

ずいぶんと前に小さい子が転んで怪我してるのを治したことがあった

私はその頃、功績を残せず苦しい生活を送っていた

正直お礼など自分の生活の足しとしか思ってなかった

「お姉ちゃん、ありがと!」

こう言ってその子は元気に家に帰った

「はぁ・・・またやっちゃった」

錬金術を使いこなせるようになったばかりで錬力が少なかった頃だ

一回でも使うとしばらく休まないといけない

「はぁ・・・家に帰るかぁ・・・」

その頃私はとあるアパートに住んでいた

結構、そう、ふ菓子見たいなアパートだった

軍の寮があったんだが、軍の監視化に置かれるのがいやだった

「今日は・・・あぅ、飯抜きの日かよぉ!」

一週間に三日飯抜きの日があった、ま、節約だ

腹が減って眠れなかった

夜中に、といっても20時ぐらいだがノックの音がした

「はぁい、新聞ならお断り、押し売りなら商品だけおいて帰れー」

いつもの決まり文句をいっていた

扉を開けるとそこには誰もいなかった

寝ぼけていたんだ、前しか見てなかった

気がついたのは湯気のおかげだ

「この臭いは、肉じゃが・・・!?」

「そうだよー、お姉ちゃん」

「あれ?私名前も住所も年齢も口座番号も言ってないけど・・・」

「お客さんから聞いたのー」

お客さん・・・?この子は何をいっている?

「君はお店をできる年じゃないよね?」

「僕じゃないよ!お母さんとお父さんのお店の人!」

「で君は誰?」

「バール・ダンクなの」

ダンク・・・ダンク商店街の会長の子か

「そうなのね、で、その肉じゃがはどうしたの?」

「お母さんが、お礼に持っていきなさいって」

「え・・・?」

「お客さんにも聞いたのー、お姉ちゃんは怪我している人を何も言わずに助けてくれる、周りが見て見ぬふりをするなかでも助けてくれる、だけどお礼は受け取ってくれないって、それで、びんぼーな生活を送ってることも、みんな言ってたの」

「助けてもらってお礼ができないのは人として悔いが残る、だから俺達であの子を支えてあげようぜ」

「ダンク商店街の力を合わせてあの子を支えてあげよう」

「商店街の人はみんなやさしいの」

確かに私は道端で怪我している人や、大きいもので交通事故の治療もしたことがあった

いつも勝手に体が動いてしまうので止めることができなかった

そんなことを続けてた

別にお礼がほしかった訳じゃない

別に名声がほしかった訳じゃない

「それでね、僕のお母さんも助けてもらったことがあるの」

そうだ思い出した、あのときの言葉

「お母さんが言ってたの」

「ちょっと前にバールちゃんが入院してたときがあったでしょ?あのときにお母さんね、もうすぐ退院のバールちゃんにプレゼント買ってたの、だけどね歩道にお車が走ってきてね、お母さん跳ねられちゃったの」

私も無我夢中だった

「その時ね、お母さんは本当は死んでたかもしれないの。あの子が来なければ、その時のあの子の言葉は忘れないわ」

周りはもう無理っていう顔をしていた

周りもお通夜ムードで時に流れを任せていた

そこで私の悪い癖が出た

「あなたは絶対に私が助けます」

気づけば治療を行っていた

あまり使いたくなかったが、その時に覚えていた最高の錬金術

後の女神の錬金術の基礎となる錬金術を使った

なんとか一命は取り止めた、だけど私はムカついていた

そして周りで見ていたやつらに向かってこう言った

「道端で人が倒れてる・・・それなのにあんたらはいつもいつも無視をしている!

おかしいだろ!

小さかろうが関係ないんだよ!


困っている人がいたら全力で助ける、これが人としてやるべきことじゃないのか!」


そのあとの記憶はあまり覚えてない

「お母さんはかっこよかったって言ってたのー」

「いやぁ・・・私もさすがにちょっと今思い出すと恥ずかしいわ」

「早くしないと肉じゃが冷めちゃうの!」

「あ、ごめんね」

そうだ、私がほしかったのは

ただ気づいてほしかっただけだった


人としてと言うことに


人として守るものがある


それは人それぞれ


ただ困っている人を助けるのは人として間違っていないこと


肉じゃがを食べ終わった私はバールをおぶってバールのお店がある

ダンク商店街に向かった

その後は又今度語ろう



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