表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

奇数人数

4月。クラス替えの時期がやってきた。


「やったー!奈菜、一緒のクラス!」


奈菜は私の親友で一番信頼できる友達だった。


「このクラスめっちゃいい!」


「うんうん、なんかさ、ほわほわしてるよねー」


なんて話していた。


確かにキビキビした感じもなく、男女ともに仲がいいクラスだった。


私はそんなクラスになれてよかったと思ったんだ。


でもそんなクラスを嫌と思うようになったのはいつのことだろうか。


ある日、私と奈菜、そして花と移動教室に向かっている時だった。


「ねえねえ、奈菜」と花。


そう言った時思ったんだ。


 奇数だと誰か一人取り残され、独りになってしまう、と。


私はそれに気付き、いつの間にか奈菜と花とは一緒に行動しなくなっていた。


でもそれに気付いたのは私だけじゃなかったんだ。


花も奈菜と一緒に行かなくなってしまったんだ。


そして奈菜は私のところへ来るようになった。独りでいたのは・・・花。


とても複雑だった。胸が締め付けられるくらいに苦しかった。


そう、奈菜が独りになる事は絶対になかったから・・・。


私と花は同じような人だったんだ。思い方が、一緒だったんだ。


そんな花に私や奈菜、そして周りの仲のいい人たちに協力して貰いサプライズをすることにした。


「花がいないと寂しいよ」「花、悩み事あるんだったら話してね!」


などのコメントを色紙みたいなものに書いて、私たちは花にわたしたんだ。


花は泣いた。大泣きしてくれた。


私もつられて泣きそうになって「泣かない泣かない」ってみんなに言い聞かせた。


その時、私たち3人の友情はもっと深まったと思った。


こんなにも友達想いな人たちがこんなにも身近にいたんだって思った。


それからはずっと3人で行動するようになった。


3人とも相手を気遣いながら、交互に話せるようにしたんだ。


今でもあの感動は忘れなれない。


本当に悩まされた、あの日の事。今になってはいい思い出だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ