大失敗のコンテスト
気温はかなり下がり、部活に影響が生じていた。
「低い!」
顧問からの指導。
3年の先輩達は引退してしまった後・・・。
冬休みに入り、私たち吹奏楽部はアンサンブルコンテストに向けて猛練習をしていた。
なかなか気温が上がらず、音程が低くて何度も先生に怒られる。
そして、私のせいで足を引っ張ってしまっていることもわかっていた。
木管7重奏・・・、できないリズムがあり、何度も合奏が中断された。
もちろんすべて私のせい・・・。
コンピューター室で練習をしていた時の事だった。
「ウチが莉奈ちゃんを狂わせよーるってこと?」
先輩が切れ気味に言っていて・・・、私は泣いてしまったんだ。
実力のない、自信のない、情けない自分に、そんな自分にムカついて・・・。
「泣かんの!泣くくらいなら上手くなれ!」
そう励ましの言葉をくれた先輩。嬉しくてもっと涙がでてきた。
結局本番がきても出来ないままだった。
だから最後のソロくらいは、失敗しないようにしようって思った。
本番・・・、結局できないところはできないままで先輩とずれてしまった。
しかもソロも音程がずれてしまったんだ。
先輩の最後のアンサンブルコンテストだってわかってたのに・・・
あんなに先輩に手伝ってもらって練習したのに・・・
こんな自分、大嫌いだって・・・逃げ出したいって思った。
結果はもちろん銀賞で、私はそのときどんな顔をしていたかなんて覚えていない。
でも申し訳なさでいっぱいだった。
そして、夏の大会に向けて練習を始めていった。