最後の学校行事
夏休みが終わると体育会に向けて練習を始めた。
体育会はA組とB組で競い合う、小学校で言えば運動会のようなもの。
だが中学校の体育会は盛り上がりがあり、団結力が生まれる、というものだと耳にした。
そして体育会当日。
前半終了間近、突然大雨が降ってきたのだ。
「雨でもやろーぜ!」
「雨降ってるほうが盛り上がるよ!」
なんて生徒が騒ぎ立てたが、教員たちは「中断だ」と言い張った。
その日は授業の用意を持ってきていなかったため、お昼も家で食べることになった。
体育会は次の日に回され、翌日、嵐が去った後のような静かさだった。
結局最後の最後まで大盛り上がりで・・・。
でも熱中症で倒れる人が何人も続出した。
季節は真夏。太陽が眩しく照りつける中、汗水たらして優勝を勝ち取ったA組。
「やったー!」
大喜びの歓声。3年生たちは大泣きをしていたことを覚えている。
やはり最後の体育会だからだろう。
「うちらーも3年になったら感動できるんかなー?」
なんて会話をしながら体育会は終幕した。
その次の日からは合唱コンクールの練習が始まっていた。
体育の次は音楽か・・・と思いながらも練習をする。
音楽の先生は吹奏楽部の顧問だった。だから怒ってもだいたいは慣れていたため怖くはなかった。
「難しいなー、B組に負けんようにせんと!」
合唱コンクールが開催したのは11月中旬。
見事私たちA組は勝利を獲得した。
トロフィーを教室に飾り、「見栄え良い!」とか言いながら授業をしていった。
そして3年生も感動して涙を流している人がいた。
やっぱり、最後は感動するものなのだろうかとその時は思っていた。