表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/25

リアのその後

◇◆◇◆


「────リア、お前は一体なんてことをしてくれたんだ!?」


 帝都にあるオリエンス子爵家の別荘にて、ベン・マシュー・オリエンス子爵は息子のリアを叱りつけた。

その手には、皇室からの手紙がある。

恐らく、青騎士団からの伝書鳩で一足早く事情を聞いていたカルムが子爵家に連絡したのだろう。

ちなみにリアとカルムの謁見はもう終わっており、沙汰も出されていた。


「財産没収と爵位返上に加えて、国外追放なんて先祖に顔向け出来ん!」


 皇室より下された罰を並べ、ベンは顔を歪める。

オリエンス子爵家はそれなりに歴史のあるところなので、このような形で幕を閉じるのは不本意のようだ。


「聞いておるのか!?」


「は、い」


 どこか放心した様子のリアは、ベンの問い掛けに辛うじて返事をした。


(まさか、ここまで重い罰を課せられるとは思ってなかったんだ……せいぜい、多額の慰謝料くらいかと)


 お家取り潰しというのは反逆罪にでもならない限り課せられないため、リアはかなり動揺していた。

そんなとき、ふと謁見の終了間際カルムが放ったセリフを思い出す。


『────君からすれば納得いかない判決だろうけど、大人しく従うように。この国を更地にする訳には、いかないのだ。相手が悪かったと思って、諦めてほしい』


 言われた当初は処罰内容に呆然としていたため、あまり気に留めなかったものの、リアはようやくその意味に目を向ける。


(カルム皇帝陛下の言葉を曲解せず直役するなら、あの錬金術師は一人で国を滅ぼせるということになる。俄には、信じ難いが……この処罰内容を考えれば、間違いではないだろう。さすがに私怨や面白半分で、ここまではしない筈だから。下手に粛清すると、貴族全体から反感を買うし)


 貴族全体よりもプリシラ個人を優先した事実に、リアはそっと目を伏せた。

これまでプリシラのことをかなり腕のいい職人兼公爵令嬢としか思ってなかったのが間違いだった、とようやく気づいて。

彼女の価値と自分の愚かしさを、嫌というほど痛感したようだ。


「本当に……本当に申し訳ありません」


 心から謝罪するリアに対し、ベンは態度を軟化させる────筈もなく、目を吊り上げる。


「謝って許される問題では、ない!金輪際、私達とは関わるな!お前とは、家族の縁を切る!」


 この宣言に、オリエンス子爵夫人も他の兄弟も反論しない。

恐らく、家族全員の同意の上なのだろう。


「分かり、ました……」


 自分の味方は誰も居ないことにショックを受けながらも、リアは頷いた。

さすがに『嫌だ』とは、言えなかったらしい。


「なら、さっさと出て行け!」


 ベンは玄関の方を指さし、叫んだ。


(えっ?今すぐ?荷物とかは……)


 玄関とベンを交互に見やり、リアは狼狽える。

すると、一向に動こうとしない彼に痺れを切らしたのか、ベンが無理やり家から追い出した。

そのままあれよあれよという間に国境まで連れて行かれ、放逐される。


(き、着の身着のままでどうしろ、と……!?)


 早速窮地に陥り、リアは右往左往した。

だが、どうにかして生き延び、近くの街に到着。

それで気が緩んだのか、彼は酒場でついポロッとグレイテール帝国の元貴族であることを喋ってしまった。

────そこでリアの運は尽き、バーラン王国の人間に捕えられる。

そして、尋問されたのち処分された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ