自分の心
多分ダメなんだ自分は。
カーテンの閉め切った部屋の中で秀斗はいう。カーテンの下に少しほのかな光が溢れている。スマホからはいつ登録したか分からない企業垢のメールが届く、アパート住まいの影響であまり声を出せず、また狭く親は放任主義でパートで多忙の家庭の中秀斗にとってはそれが当たり前の日常を過ごしていた。学校にはたまに登校したいという甘い考えを押し殺し、登校する。
ああ、つまらない。
秀斗にとって新しい単元の授業、新築の家が立つ外の光景そんなの全てが色馳せていた。義務感でやる授業の中眠気と格闘する。様々な妄想あの時あっちの学校に行けば、こうなってとか、言葉で伝えれば、ああなってたとか。花を咲かす。
ある日秀斗はある恋愛ドラマを見た、不幸な結末を辿る人物のエピソードの話。なぜだか、人物の涙が幼き頃の水の色よりも鮮やかで濃く見えた。そしてその景色に色が戻った。そのひとときがすべてが懐かしく心が満たされた。
え?
不意に秀斗の眼からこぼれ落ちる雫。秀斗にとってそうなったかは理解できなかった。
なんでこんなにも心地いいんだ。
「自分は最低」とか「人でなし」とか自分自身を侮辱し品位のかけることをする。だが、その一つ一つ全て本心で言ってなかった。心の底では、安心に近い喜びがあった。
夜遅いのに秀斗は閉めていたカーテンを開ける。月光が彼を差す。何だか報われているかのよう秀斗には感じた。月は美しくそこに存在し、雲ひとつなかった。




