森の中の輝き
昔々、緑の丘に囲まれた小さな村がありました。村には川が流れ、小鳥のさえずりが絶えず、花々が季節ごとに色を変える穏やかな場所でした。そんな村に、一人の少女リリが住んでいました。リリは目が大きく澄んでいて、好奇心旺盛な性格でした。森の奥にどんな秘密があるのか、川の先に何が広がっているのか、いつも考えては探検に出かけていました。
ある日のこと、リリはいつものように森の奥へ足を運んでいました。森は日差しが木々の間を通り抜け、地面に小さな光の模様を作っていました。リリが小道を歩いていると、突然、草むらの中で小さな光がちらちらと瞬くのが目に入りました。リリは思わずかがんで、その光の正体を確かめました。
そこには、手のひらに収まるほどの小さな石がありました。普通の石とは違い、透き通るような光を放ち、ほんのり暖かさが感じられました。リリは息を呑みました。「これは…魔法の石かもしれない!」胸がドキドキし、手に取った石をそっと握りしめました。
リリは急いで村に戻り、石を自分の部屋の小さな箱にしまいました。夜になると、石は柔らかい光を放ち、まるで小さな声で歌っているかのようにかすかに響きました。リリはその歌を聞きながら眠りにつくと、いつもより穏やかで楽しい夢を見ました。まるで石がそっと夢の中に入り込んでくれるようでした。
しかし、魔法の石には一つの決まりがありました。それは「自分だけのために使おうとすると、光は消えてしまう」ということでした。リリはそのことを知らずにいましたが、石の力は確かに普通ではないと感じていました。リリの冒険は、ここから始まるのです。




