尽きることのない燃える魂1
ここは第二期の暗黒時代後期。創造神チャーキーの手により、旧宇宙は消滅。そこにチャーキーは星を造り、生物を造った。しかし今の生物はほとんどが二つの組に分かれた。その軍の名は雷我が率いる「悪魔軍」とレジガスが率いる「死神軍」だ。今までは「黒輪」という侍が争いを止めていたが、所詮は人間、老衰で死んでしまった。そうして誰も止められなくなり、戦争へ繋がった。
だが雷我は戦争中に死神軍の「レイナ」という者と恋に落ちてしまう。そうして戦争の真っ最中にレイナは元気な赤ん坊を産んだ。その子の名前は「ライト」。まだ子供だが魔法の扱いはプロ並みだ。そんな日々はつかの間、レジガスが本拠地に攻めてきたのだった。
~悪魔星~
「レイナ、お前はライトを連れて逃げろ。分かったな」
「でも…」
レイナは何か言おうとした。だが、状況を考えたのかそのままライトを抱いて悪魔星から逃げていった。
悪魔星が爆散した。何㎞か離れた時だった。
その時ライトは見た。星には「神」がいたのを。
レイナは泣きながらも振り向かず、進んで行った。
小さな星を見つけた。もう大丈夫と星に着地した。
「死神軍の仲間がまさか「アイツ」なんかの妻になったなんてな」
レジガスこの声だ。レイナはすぐさま振り向いたが、もう遅かった。
レジガスの剣はレイナの心臓を貫いている。
「ライト…逃げて…」
レイナはバタリと倒れた。
ライトは状況が理解できなかった。
「お…母さん?…」
反応がない。ライトはまだ温かい母の手を掴む。
「雷我の娘か…障害になる前に殺しておこう…」
レジガスはレイナを向いているライトに刃を向ける。レジガスが剣を振り下ろした時だった。
カン!
腕で防いだとは思えない空き缶を蹴った時の様な音が鳴る。
「お前まで俺を裏切るのか、レジガー。いや、兄貴」
レジガスはレジガーを指差す。
「なぜだ。お前には地位もやった。居場所も与えた。幸せだって与えただろう。」
レジガーは当たり前の様に問いに答える。
「簡単さ。命令されたくないからだ」
レジガスは悲しい顔をする。
「お前まで殺さないといけなくなるなんて、弟はとても悲しいよ…死ね」
レジガスは、今まで本気を出していない、とでもいうかのような魔法の弾幕を発射した。
「イージス」
全ての弾幕がはじかれていく。力量は互角だ。
「お前は命令がないと生きてけないくせにイキってんじゃねーよ!」
サンドバックを蹴った時のような低い打撃音が鳴る。
「?なんだここ?」
それは一瞬だった。レジガスは気絶している。
知らない男性の声がする
「竜どこ行ってんるだ?授業始まっちまうぞ~」
その人?は背後にあるポータルを見つけると入っていった。
レジガーはそのポータルにライトを連れて入って行った。
見知らぬ土地に着く。悪魔星とは大きく違って自然が豊かだ。
「こ、ここは?」
レジガーはまず、村を探した。こんなに自然豊かな土地に人は住んでいるのかとも疑ったが、さっきこのポータルから人が出てきたから間違いないと探し続けた。
もう諦めようと思ったとき、白いモダンな家を見つけた。レジガーは走ってその家に向かった。
「誰ですか…」
青い髪のヘッドホンを首にかけている中学生くらいの男性が出てきた。
「私はレジガーともいう者でして、「悪魔星」という星から来ました。ところでここはどこですか?」
青髪の男性は少し戸惑っていた。
「悪魔星?そんな星データにないけどな…ああ、そうだ僕の名前は悟です。ちなみに後ろの奴は妹のシャンです。ここは「ランダムワールド」って言って神が死んだ宇宙から造ったって言われてます。ええとここは…王都の近くです」
「ランダムワールド…」
それから、レジガーは「シア」というエルフの姫に弟子入りし、ライトは同年齢のシャンと冒険者になった。
「ねえシャン、このクエストとかどう?報酬がたんまりだし、ランク的にはSだから私たちのランクはSSだしいけそうじゃない?」
ランクとはランダムワールドランク、略してRWRだ。どんな者でも受けられ、強さでランク付けされるというモノだ。
シャンはその案に賛成し、そのモンスターが出たという村に向かった。
生存者に話を聞いてみた。が、
「み、みんな黒い化け物が見えてないんだ…あんなにデカいのに…」
と言う。今までの冒険者は皆失敗して行方不明になったらしい。
そいつが向かったと言っている洞窟に入って行った。
中には何もいない。だが、頭がない死体が山積みになっていた。
「こんな…酷い…」
シャンは暗い顔をしている。
「すぐにモンスターを倒してとむr…」
慰めようとすると背中に爪でひっかかれたような痛みが走る。背中からは血が出ているが何もいない。
「…ホントに普通には見えないっぽいな…」
ライトは魔力感知と温度感知、生体感知を使う。しかしモンスターの反応は無い。
「これ本当にSランクの討伐なの?」
とまどっていると、死体のところにガラスの破片を見つけた。そういえばモンスター図鑑では黒狼種のモンスターは普通には見えないけど、ガラスを通したり鏡で反射させると見えると書いてあった。前の冒険者のおかげで倒せる。ライトはガラスをシャンに渡し、こちらは鏡を持った。
「これを使えば相手が見えるよ!」
シャンは本当か?と疑っていたが、ガラスで見えたようだ。戦闘準備をしている。
ライトも戦闘隊形に入る。杖を相手に向けるとライトは炎の球を数発発射した。モンスターがひるんだところにシャンの大剣が襲う。
死ぬと普通に見えるようになった。高さは3m、横は5mほどだ。モンスターをアイテムボックスに入れると、冒険者たちの死体を埋め、とむらってやった。
王都の冒険者ギルドに帰り、モンスターの死体を渡してから、冒険者の死体の事を伝えた。
「ありがとう。きっとその人も成仏してあの世に行ったよ」
冒険者ギルドの受付の女性は優しい声でそう言った。その人の恋人は有名な冒険者のパーティのリーダだったが、討伐で仲間をかばってその人はもう帰らぬ人になったらしい。
ライトは大金を持ち、王都のど真ん中を歩いていた。しかし、細い人気のない路地に差し掛かると前と後ろにゴツイ人が出てきた。
「嬢ちゃん、そのお金を渡せば痛い目には合わせないから渡しな」
どうやらお金目当てのようだ武器を構えようとするとその人たちは勝手に吹っ飛んでいく。
「大丈夫かい?お嬢ちゃんたち」
赤い帽子と帽子に付いた紫色のガラス、黄色から青く変わっている髪、赤い服と赤い上着、耳についている十字架のアクセサリー、男性か女性かよくわからない顔。間違いない。創造神チャーキーだ。
「?どうしたんだい僕を睨んで?」
「お前が殺したんだろ!父さんを!そして悪魔星を消したんだろ!」
ライトは怒りを込めた言葉を放つ。
「だからなに?」
チャーキーは反論する。まるで当たり前のように。
「なぜ!なぜこんなことを!」
「そんなの簡単さ。悪魔星には飽きたからさ。だからランダムワールドを造った。君が生き延びたのも僕がそう決めたからだ。君の父が死んだのも、今ここで君たちが盗賊にあったのも偶然じゃない。僕が決めたから。人が生きているのも、人が死ぬのも、全て僕がそう決めたからなんだよ。この世界は僕の物語でしかないんだよ」
チャーキーは流調に話す。
シャンは話についていけないようだ。チャーキーはすぐさま去っていく。
シャンはとりあえずライトを引きずりながら悟の家に帰った。
ライトはまだあの事をまだ引きずっているようだ。
次の日の朝、ライトは昨日の事を完全に忘れているようだ。記憶が消えたかのように。
シャンは今日もライトと冒険者ギルドで依頼をこなすのだった。
初めまして!この小説を読んでくださり、誠にありがとうございます。少し子供感があるかもしれませんが、僕は初めての小説投稿なのでそこは置いといてください。文字ミスがあったら感想でも教えてくれたらありがたいです!




