project:009 魔法
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【ある昼下がり 異界 ムー国•魔法術学校】
学校のある一室、眠気を誘う陽の光をよそに1人の男が教団の前に立ち、目の前の少年少女たちに向かって話しはじめた。
「それじゃあお前ら、授業を始めるぞー……その前に、基礎的な説明をいくらかしようと思う。テストにも出るからちゃんと聞いとけよー」
その男が――――教師が杖を振る、と、本がひとりでに開き、教室の電気が点る。これから授業が始まるかと思った瞬間、男から青いオーラが放たれる。ものすごい速度で生徒たちを通り過ぎた。眠っていた生徒は体を跳ねらして飛び起き、起きていた生徒は何気なく放たれた「魔力」にゾッとする。――単純に魔力を出すだけでも、こういう使い方があるのだ――全員が前を向いたのを確認して、その教師は説明を始めた。
まず、魔法とかの「神秘の力」っつーのは他にもあるんだよな。それをムーでは「6大源力」って呼んでるんだが、その中でも魔力について詳しく学んでいこう、っつーのが俺たちな。
魔力は色んなものに含まれてるんだわ。俺たち人にも、植物にも、頑張れば無機物なんかにも取り入れることができる。魔力の最小単位は魔素なんだが、これは粒子のやつな。これが色んな要因が組み合わさって塊になったのが魔力ってやつ。だから空気中に漂ってんのは魔力じゃなくて魔素!これ大事な。
んで、その魔力。大きく2つに分けることができんだよ。みんな知ってっと思うけど「魔法」と「魔術」な。今回はこれについて詳しく説明してきたいと思ってんだわ。
まず魔力から、説明すんだけど、この魔力っていうのはとにかく自由!自分の発想で色んなもんをゼロから生み出せるわけ!炎を青く変えたり、水に形を与えたり……想像一つで色々できちまうのが、魔法のいいところだな!
しっかしやっぱそれだけ想像力と術者の実力に頼るんだわ。それに魔術と違って感情と直結しちまうからさ……コントロールするのは難しんだわ。怒ってる状態で魔法を発動しても、力が分散したり、逆に暴走しちまったりするんだ。
…………それからも教師の授業は続いた。
魔法••••異界にある力のひとつ。使用者数も汎用も広く、ムーでは化学と融合した魔科学が発展している。