project:006 逢魔ヶ刻学園
project:006 逢魔ヶ刻学園
神舞町中央に存在する公立高校。旧校舎と新校舎、緑道公園、広大なグランド、小さなプールからなる。元は軍事施設があったので、敷地は広大。それに反して在校生は少なめである。周辺には寂れた商店街や、有名な神社が建っている。
近くに神社があるからか、街全体が古めかしいからか、集まる生徒たちも古風なものたちが多い。なんといっても逢魔ヶ刻学園(以後逢魔)の制服はまるで着物とセーラー服の合わせ技のような、そんな装飾やら作りをしているのだ。頑なにカタカナを使おうとしない。サッカー部は「蹴球部」と書く。
部活動は文化部が多く、薙刀部なんかもある。この前紹介した地名 伊弉が所属する逢魔執行部は、言わば「何でも屋」で、学園内外問わず、さまざまな依頼を請け負う。部活動はかるた部が強い。全国大会出場を軽々やってのける。
しかしここで伝えておこう。この学園の秘密を。――七不思議って、ご存知だろうか。きっと誰しも聞いたことならあるはずなのだ。その内容まで一致はしないだろうが、皆学園には噂がつきもの、だとわかってるはずだ。
有名なのが、「トイレの花子さん」。勿論、逢魔にもいる。旧校舎3階の3番目の女子トイレ。ドアの目の前に立ち3回ノックする。「花子さん、花子さん、遊びましょう」と唱えれば、おかっぱの少女が現れる……というやつ。逢魔ではちょっと違うのだが、それも怪談話の醍醐味。噂の数だけ異変はあるのだ。
この逢魔の特徴的な行事といえば「黄昏祭」だ。夏休みに行われ、学校にお泊まりするのだ。朝、学校に来て、寝床の準備をする。昼は黄昏祭の準備、夕方ぐらいから始まり、校庭には出店が並ぶ。夜まで遊んだら、赤い提灯と鈴を分けられた班で一つづつ持ち、校内を練り歩く。そうして深夜になって、1日が終わるといったものだ。
こんな高校だが、秘密がある。多くの――それも特大の――昏い秘密が――
逢魔ヶ刻学園••••伊弉が通う学校。和の面持ちがあり、校内は古めかしく、歴史を感じる。校内に小さな神社もあり、おまじないや噂、とりわけ妖怪や怪異なんかには敏感な生徒が多いようだ。