プロローグ
----悪役令嬢エレナの一生
それは西の聖女伝説のサイドストーリーだった。
物語は、エレナが生まれた時から始まる。
エレナは歴史ある公爵家に生まれ、8歳上の兄のスティングルと、6歳上の兄、ショーン、5歳年上の姉のアーシャがおり、歳の離れた兄妹に大層可愛がられた。
幼くして類稀な魔力量で聖女に選ばれたエレナは7歳の時には王太子と婚約する。
わがままに育ったエレナは魔力は多いにも関わらず、使いこなせず、学園に入ってからは孤立していき、王太子からもその性格から遠巻きにされていく。
しかし、王太子に恋するエレナはなんとか興味を持ってもらおうと必死でアプローチをするが、失敗してしまう。
そんな時、新たな聖女として西の山岳地帯に領地を持つ男爵家の娘、ユリが力を発現させ王太子はユリの朗らかで諦めない姿に惹かれていく。
エレナは2人の距離が近づいているのに気づき、ユリを邪魔して、最後には悪いやつらに弱みにつけいられ、絞首刑となり、公爵家もろとも犯罪に手を染めたと取り潰しになってしまうのだ。
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エレナは生粋の悪役令嬢で、西の聖女伝説を読んだ時は早く逮捕されれば良いのにと思っていたのに、サイドストーリーを読むとエレナの視点から見たのはまた全然違ってこと細やかにエレナの心情が綴られていていかにエレナが王太子のことが好きだったのかよく伝わってきて切ない気持ちになった。
これは、エレナの方が感情移入してしまったかもしれない。
エレナの方が好きかもしれない。
ヒロインのユリは何をやってもどこかで誰かが見ていてくれて、助けてくれるけど、エレナはどんなに頑張っても報われない子で、最後には殺されてしまった。
やり方が悪かったのかもしれないけど、エレナはまっすぐで、どんなに頑張っても報われないのは私に似ていた。
だから、何度も何度も読んでしまった。
私は、一度ハマると飽きるまでずっと没頭するタイプでこの本にもハマり、何度も何度も内容を暗記できるくらい読んでいた。
...だからかな?