第96話 オークションの件
地上に戻ったら即支部に連行されました。
「だから!なんでポンポン世紀の発見を出すんですか!」
「いやー、世紀の発見って訳では……」
「深層に行くのはいいです。けど、誰ですかあの人!人ですか?モンスターですよね!亜人さんですか?!」
「福崎君、落ち着いて。ほら、お茶もあるから……」
福崎さんは今日も絶叫してます。
長嶺支部長、ナイスお茶。
まぁ知ってる人は知ってる情報ですし?日本って深層までダンジョン潜ってる人少ないからどんなもんか紹介するのは先行してる探索者の義務ですから(キリッ
ドヤ顔でキメたらジド目で見られた。
くっ、解せぬ。
とりあえず持って帰ってきた素材はギルドに預けることになった。
ドラゴンの鱗と牙は日本ギルドで買取、10本の魔剣は以前話したオークションに出すことになるそうだ。
「12月にラスベガスで開催されるので田島さんも準備お願いしますね」
「え?俺も行くんですか?」
「当たり前です。所有権を持っている人は立ち会う義務があります」
「げぇ……マジっすか……」
マジか。
あとは口座に振り込まれるのを待つだけだと思ってたのに……
世の中そんなに甘くないよね。
帰宅して妻に指輪をプレゼント。
結婚指輪以来のプレゼントだったけど特に感想はなかった。
悲しみ。
風呂上がりにふと自室を覗くと指輪を着けて笑顔だったのでちょっと嬉しい。
その後、12月は仕事としても繁忙期ではないので休みの調整をしないといけないのですぐに派遣先の課長に相談した。
特に問題なく休みを取ることが出来た。
ラスベガスに行くと話したらお土産をお願いされた。
ラスベガスのお土産って何がいいかなー?
あと、自社にも連絡した。
流石に長期休暇なうえに海外に行くので何かあったときに連絡が取れないと不味いしね。
案の定社長からもお土産をお願いされたので忘れずに買わないとな。
次いでに副社長からアメリカの歩き方の本を貰った。
昔出張で使ったそう。
アメリカの知識、ほとんどないからありがたいです!
他にもパスポートが切れてたので再申請したり、キャリーバッグもボロボロだったので買い直した。
まさかパスポート再申請で国から連絡が来るとは思ってなかったよ。
ギルドから連絡行ってなかったのか……
何はともあれ、ラスベガスへの準備を進める。
いっそのこと家族旅行にしようと思ったけど妻が繁忙期に入るからパスということで、俺一人行く事になりました。
ちょっと寂しい。




