第83話 今日の終わり
とりあえず質問コーナーで時間を潰す。
ほとんどがさっき使ったスキルについて。
今話してもいいけど予定では深層に潜る時に話す予定だったので今回は保留とさせてもらった。
そもそもこのチャンネル、飯を食べるチャンネルだしね。
動画のネタ、ほとんどないのよ。
雑談も一区切りしたので一旦配信を区切る。
コメント欄からは最後まで見せろ!とブーイングをもらったけど、正直もう話すネタがなくてね……
ゆっくり回りを観察していると遠くから足音が。
こういう時の『迷宮掌握』
スキルを発動し確認すると、10人ほどの人間が走ってきてる。
先頭の四人は彼らだとして、やっと職員が来たかな。
「あーさんさん!大丈夫ですか!?」
「おー、ハジメくん。もちもちのろんさー。腐ってもSSSランクですし」
「それはよかったです……あ、こちら職員の方です!!!無事みたいです!!!」
ハジメくんたちの後ろにいた六人のうち、男性が一人前に出た。
……でけぇ、2メートル近いんじゃね?
「SSSランクの田島さんですよね?ご無事で何よりです。金峰山ダンジョン警備隊隊長をしております貢大騎ともうします」
「ご丁寧にありがとうございます。田島安来太です。なんとか無事に倒せました」
ドロップ品はほとんどありませんが……
「流石。SSSランクなだけありますな!受付でも休憩中の職員が配信を見ておりまして……スカルドラゴンが出たときに緊急招集をかけ急ぎ来たのですが……間に合いませんでしたな」
「そうっす!俺らが帰還ポータルで戻った時はすでにダンジョンに向かってたっぽくて急いで追い付いてつれてきたってことっす!」
「アゲハ何にもしてないけど」
「ん。消化不良」
「なんと!ありがとうございます。みんなもありがとう!まぁ、今日はイレギュラーも発生したし、今日はこの辺でまた今度下層に潜ろうか」
正直、スキルの反動でもう腹ペコなんだよね……
その後、ギルドの職員の方に現場を引き継いだ。
スカルドラゴンの素材はほとんど骨しかなかったのでそのまま肥料としてJAの肥料センターに運ばれるそうだ。
熊本は農業県だからね。
ドラゴンの骨なんて数年ぶりだってさ。
何ならスカルドラゴンの目撃情報も数年ぶり。
……これは何かあるよねー。
ま、今考えても仕方ない。
ダンジョンから出たらすぐに行きつけのラーメン屋に。
チャーシューがうまいのはもちろん、自家製麺とこってりトンコツがマッチして絶品なんだよねー。
今度四人もつれてこよ。
もちろん家族でも来よう。




