第73話 いざボス戦(中層)
ソロが長かった俺としてもバランスが取れてるパーティーみたいだしなんとかなるでしょ
「はい、よろしくお願いします。自分の自己紹介は不要ですかね?あらた、もしくはあーさんと呼んでください。今日はよろしくお願いします」
さて、いざダンジョンに!
パーティ組んだのいつ以来だろうねー。
ちょっとわくわく。
ダンジョンに潜って1時間、現在中層の階層ボス前まできた。
四人に任せて後ろから見てたけど不安になるようなこともなくすいすい進んできた。
近見君は挑発系スキルで敵の注意を引いて盾でガード、ダメージを受けても河内君がすかさず回復。
さらに光森さんが氷雪魔法で足場を崩し、動きを止めたところに今藤さんが特大のファイアーボールで吹っ飛ばす。
……今藤さん、もしや結構ユニークスキルとか持ってる感じ?あんなサイズのファイアーボール見たことないんやが。
……俺いなくてもいいんじゃね?
「いやー、最近の若い子はすごいねー。息もピッタリだし、いいパーティじゃないか」
「田島さんにいってもらえると嬉しいですね」
「SSSランクの人に褒められると照れるっす!」
「アゲハ、感激です」
「ことりも」
「じゃボス戦も頑張って!多分この前の蠍じゃなさそうだから」
「「「「がんばります!」」」」
今日の階層ボスは頭が2つある犬―オルトロス―だ。
左右で別々の魔法を使ってくる上に動きも早い。
下層にも出現するモンスターだ。
「オルトロスは顔が2つあることが強さの秘訣だけど逆に弱点でもある。左右の注意を別々の方向に向かせると弱点の首の付け根が見えるからそこを魔法で叩けば楽だよ」
「……中々ムズいっすね。挑発すると顔2つともこっちに向かってきそうっす」
「アゲハも前衛で切り込みがメインだけど、速さが心配」
「俺が身体強化のバフかけるからアゲハは右、しんたろうは左。今藤さんはトドメの魔法を準備して」
「……ん。大丈夫。わんこならやれる」
そう言うと今藤さんが魔力を貯め始めた。
さっきのファイアーボールなんて比じゃない。
「……サンダースラッシュ」
カッ!!!
眩い閃光とともに雷が近くに落ちたような轟音と振動が襲ってくる。
サンダースラッシュって雷魔法の上級魔法だよね?
中々使いこなせる人がいないって聞いてたけどサラッと使ったな彼女……
「ん。余裕」
「……やっぱり崩城にいていい人材じゃないですよね。今藤さん」
「魔法に関しては誰も追い付けないよ。アゲハも教授が教えることがなくて逆に論文の内容よく確認してもらってるの見たことある」
「規格外っすよね。後衛が強すぎて前衛いらないって」
……ほんと、最近の若い子はすごいねー(小並感)




