第44話 SSSランクになったよ!(涙)
「そもそもSSSランクって世界への貢献度で認定されるんじゃなかったですか!?いや、こんなすぐにはなれないでしょ!?」
「……おっしゃる通りです。通常は、国の推薦などが必要になります」
「じゃ、何で……」
「……この決定は裏があります」
「……裏ですか。お伺いしても?」
「今回の法改正、国際ダンジョン連盟から圧力があったみたいなんです。あ、これはオフレコでお願いしますよ」
国際ダンジョン連盟は120の国と地域が加盟しているダンジョンに関する連盟だ。
主な活動はダンジョンの情報管理やポーション開発の支援等々多岐にわたる。
長嶺さん曰く、国際ダンジョン連盟は日本のダンジョンに関する貢献度の低さを懸念ししていたようで、法改正をしてでも探索者を増やし、未探索のダンジョンを調査し、新たなアイテムを手に入れたがっているそうだ。
ダンジョンから手に入るアイテム関係は基本探索者に所有権があるが国連で買い取ることも多いらしい。
買い取ったアイテムをオークションで販売、その利益をダンジョン未発見の国などの補助にあてたりしているのだそう。
……まだ裏事情があったりしそうだけど、その話は一旦考えないでおこう。
「ギルドパスから田島さんの討伐履歴を読み出す際、データは一回日本ギルドのサーバに送られました。その際、一緒に国際ダンジョン連盟にも送付されます。探索者は世界的にも重要な情報だそうで……恐らくその際に田島さんの総討伐数やNO NAMEモンスターの討伐履歴を確認し、SSSランクが妥当と判断したのでしょう」
「うーわ……そう言うことですか。深淵到達ってそこまでのことなんですねー」
「……かるーく言いますね。深淵探索なんて、ずいぶん前までは夢物語だったんですから。実感を持ってください」
そうは言ってもまだ実感がないんです……
今後の予定としては国際ダンジョン連盟からの正式な認定証が来るのを待って昇格となるらしい。
認定証、ちゃんと郵送されるんだね。
「SSSランクになるのは確定事項ですので、田島さんの心配は無用かと。ギルドパスの更新は認定証が来るまでは出来ませんが、ダンジョンに潜る際は考慮しますので。よろしくお願いしますね」
「……個人的にはSランクにしてほしいんですが?」
「無理です」
「即答!?もう少し考慮して貰えません?!」
「さすがに一介の支部長が介入できる権限をとうに超えてますから……諦めてください」
くっ、どうしてこうなった……
こうして俺はSSSランクになりました。
妻にどう説明しよう……




