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第372話 フェリダーさんの理由

「説明して欲しいんですけど、まずフェリダーさんが何故ここにいるのかを教えてくれません?もしかして封印俺が壊しました?」

「にゃにゃ!そんなことは無いですにゃ!あの結界は充分強いですにゃ!御館様のせいでは無いですにゃ!」


ホッ……俺が原因でフェリダーさんが蔵からでてきた訳では無いと。

それだけでギルドからお咎めなしになりしうでよかったよかった。

まーた田島さんがやったよーって目で見られることもないね。

じゃ何で蔵から出てきたのか。


「にゃ!それは長い話になりますにゃー……そもそも取り憑いた女性の方とはあまり喋ってないんですにゃ。女性との出会いは間接的と言うやつですにゃ」


陰陽師のおりんがオーガシャーマンの魔法で飛ばされた深淵はフェリダーさんが統治する猫の街ナカティル。

街にある帰還ポータルを守護していた門番―ガーディアンマンティコア―に見つかって戦闘になったそう。


「ガーディアンマンティコアは私の使い魔でしたにゃ。使い魔からの情報で凄腕の魔術師が来たと分かり、街のみな全員で戦闘を見ておりましたにゃ……万が一街に危害を与えるものであれば血肉ひとつ残さず倒す気持ちでおりましたにゃ。その時ですにゃ、ガーディアンマンティコアが異空間に飛ばされたんですにゃ」


おりんさんの秘術で次元の彼方にガーディアンマンティコアが飛ばされたことを知り街にいた猫たちはおりんさんを倒すか降伏して命を助けてもらうかを急ぎ会議をしたそう。


「その時ですにゃ……バステト様のお告げであの女性について行くように言われたんですにゃ」

「し、神託ですか……普通、神託なんて使ったら上級神とかにお叱りを受けますよ!」

「けど、あのテトちゃんだもんなー……」

「創造神だろうが上級神だろうが自分のペースを守ることを優先する。それがバステトだからな」

「おぉ……流石アステカの神々ですにゃ!そうなんです!バステト様から『なんか面白そうだからくっついて面白い情報あったら連絡よろ』って言われて!街のメンバーを相談してリキッドメタルキャットである私が行くことになってんですにゃ!もう人生最後の旅だと思って……」


バステト神に無理強いさせられておりんさんに取り憑いた、と。

うん、アステカの神々が言ってたけどだいぶ軽いノリで無理難題行ってくるタイプの神様なんだな……


お疲れ様です……

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