第38話 え?まじ?
「深層ですか……潜るのは問題ないんですけど……」
「なにか心配ごとでも?何かあればギルドに言っていただければ万全の準備をさせていただきます。また前金で100万、銀行口座に振込させて頂きます。ポーション系など今倉庫に眠っている中級ポーションなど持って行ってください。田島さんを、全面的にバックアップさせていただきます」
「……そこが懸念点なんですよ。何てったって俺Eランクなので。ランクが低い探索者を深層に潜らせた!ってなるとマスコミが黙ってないでしょ?何のためのランク制度だって」
「あー、その事ですか……ここだけの話、その件は来月には解決するんですよ……」
「へ?ランク制度がなくなるとかですか?!」
「いえいえ、ランク制度はそのままです。ただ、昇格する条件が改正されます。おそらく、いや100パーセント田島さんはそこでAランク以上に上がるかと。もしかするとSランクかもしれませんな」
ダンジョン探索者保護法の改正ってまた大きな話だ。
長嶺さん曰く、日本はダンジョンが発生した最初期から存在を確認していたのにも関わらず、探索がほかの国々よりも進んでいないらしい。
原因はCランクから上に、上がる人がいないこと。
Cランクでもアイテムを持ち帰れれば、そこそこ稼げる。
なので、命を懸けて下層、深層に潜るリスクをとらない。
この辺日本人らしいといえばそうなるのかな。
「今回の法改正で10年以上探索者を続けていること、かつ危険度が高いモンスター等を討伐した経験があること、ダンジョンに年100回以上入っていることなどなど……実績重視でランクをあげる、という形になります。田島さんは今年で探索者のパスを手に入れて15年ですよね?それにオーガを倒している」
「……当てはまりますね」
「今回は飛び級も可能ということになりますので、100パーセント田島さんはSまでいくと思います。故にギルドからのバックアップも問題ないかと」
モンスターの討伐数なら多分自信をもってSランクレベルだと思っているので納得。
「あ、ちなみにSランク以上になるとギルドからの命令はほぼ強制になりますので悪しからず」
「え?!まじっすか?!それは聞いてないですよ!!」
「そりゃ言うと上に上がろうとする人いなくなりますからねー。Sランク以上となれば国によっては国防軍の大将クラスの権限が与えられ、国の守りの要となるとか。日本はそんなことをしない代わりに報酬はがっぽり稼げますから。有事の際に参加していただくという流れですよ」
……今回の氾濫的なやつってことね。
それなら納得!




