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第369話 あの蔵について

「ミミー、リリー、子どもたちをお風呂に入れるから手伝ってー」

「あ!ごめーん!今行くー」

「上の子達に任せてもいいけどなー。けどミミの子達に負けそうだしいくかー。おつまみ残しておいてくださいねー」


ゆりの声掛けにミミとリリがリビングから出ていく。

うちの風呂なら子ども18人余裕で入りそうだからすげーうるさそうだ。

ミミとリリなら大丈夫だろうけど万が一の場合を備えて待機だけしておこうかな……


「そういえば、昼間は指摘しなかったがあの蔵はなんじゃ?えらい頑丈に結界が張られとるが」

「そうそう。宴の時は野暮だから聞かないようにしてたんだけど」

「私も気になってたね。あんな結界そうそう見れるものじゃないよ」

「何?呪いのアイテムでも見つけて封印したの?」

「も、もしかしてモンスターとか?」

「あーさんが倒せないモンスターとかいるの?ー」

「……みんな好き勝手言うじゃん。あれは深淵のモンスターが封印されてるってよ」


とりあえず封印されているモンスターについてみんなに説明。

ゴン太と保部はあんまりピンと来てないみたいだけど深淵って言葉を出したら神々はキリッとした顔になって聞いていた。


「憑依型……しかも深淵のやつか」

「厄介ね。フラクシアの奴らなら封印されていたら暴れているから多分違うんじゃない?」

「ふ、フラクシアは魔法解析に関しては凄まじいです。あ、あれほどの結界なら数年で解析して破壊してそうです」

「と、なると脅威は少ないんじゃない?深淵……もとい異世界でアレよりも驚異になる世界はなかったような?」

「えぇ……ここでフラクシアが出てくるの?……めんでぃー」


フラクシアってあのピエロがいた世界だよね。

異世界を蹂躙しながら勢力を拡大してるとか言ってたアレ。

当分深淵には行く予定ないから関係ないと思ってたんだけどなー。


「んー?けど親方、あの猫って深淵のやつですよね?あれじゃないんですか?封印されてたの。解放したんです?」


ティム君が首を傾げながら指を指した。

そこには子どもたちにもみくちゃにされていた子猫が座って顔を洗っていた。





……は?今なんて?







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