第352話 万福寺さんにおねがいの電話
「夜分遅くにすみません。田島ですけど」
『あー、田島さん。ご無沙汰してます。何かありました?』
親父の電話の後、すぐに自治会長の万福寺さんに連絡した。
流石に俺の家の駐車場だけじゃ車が入りきらない気がしたから近くの駐車場を借りれないか相談です。
「ほんと申し訳ないのですが、近くの駐車場って今空いてたりします?」
『駐車場ですか?月極は空いてるやつがあること思いますよ。確か田島さんの近くの家なら3台ほど』
「あ!それ明日から明後日まで借りれたりしますか?料金は一ヶ月分はらいますから!ちょっと来る人が多くてうちの駐車場じゃ入り切らなくて……」
『あー、そういう事ですか。ならうちの駐車場をお使いください。明日は定休日なので空いてますから』
「え?!いいんですか?」
『いえいえ、そもそも住民の皆さんにもパーティに呼んでいただいてるんですからこれくらいさせて下さいよ』
明日のバーベキューは近くに住んでいる人達も呼んでいる。
町内会の連絡網にチラシ入れてもらったもんね。
こういうパーティはみんなで楽しまないとね!
まぁ、元々はうるさくなって近所迷惑にならないようにしないと、と思って事前に万福寺さんに連絡したからなんだけど。
「テイクアウトで料理も頼んでますし、申し訳ないですよ」
『いえいえ。それはそれ、これはこれですから。あと料金もすっごく多めに貰ってるんですから』
「こっちこそ、それはそれこれはこれってやつですよ。後で駐車場代払います」
万福寺さんのお店、梅林亭からは麻婆豆腐とエビチリをとりあえず30人前頼んでます。
頼みすぎかなーと思ったけど何人来るか分からないし、俺ここの麻婆なら6人前ぐらい余裕で食べれるからね。
残さず全部完食しますよ!
てことで、梅林亭の駐車場を借りることに。
梅林亭の駐車場は8台停めれるから多分大丈夫でしょう。
とりあえず足りなかったらまた相談しよう……
『あ、そうそう。この前預かってた子猫の件、一応隣の自治会長にも相談しましたけど逃げたって報告はなかったですね』
「なるほどー。ありがとうございます。隣の地区の方にまで調査していただいて」
『いえいえ、ちょうど自治会長が集まってのゴルフがあったからですね。じゃ子猫については田島さんが引き取られるということで?』
「はい、保健所とかにも連絡した方がいいですかね?」
『その辺は既に連絡してますよ。この子、まだ小さいからかあまり騒がないし、いい子ですねー』
子猫はこの前りゅうくんが見つけた子。
まだアパートで暮らしてたから万福寺さんに一旦引き取ってもらってた子だ。
引き取った後は家の中でビクビクしていたそうだけど今では家の中でのんびり寝てるそう。
うちに来てものんびりして貰えると嬉しいけどねー。
ゆりが毎日吸ってそうで怖いけど。




