第36話 支部で怒られました
「全く!何やってるんですか?!当直の職員がいるのに勝手に中層まで行って!怪我したらどーするつもりだったんですか?!」
「弁明のしようがありません……」
はい、現在本部の受付で説教中です。
大学生を助けた翌日、福崎さんに電話したところ有無をいわさず熊本県ギルド本部へ出頭命令がきました。
法的な権限はないので無視しても違法ではないけど心証が悪いので飛んでいった。
サラリーマンの性です。
「ダンジョンで発生した問題はギルド職員が対応する!現地探索者は動かない!って常識じゃないですか!何を考えているんですか!」
「いや、ボス部屋にはいって時間がたってるってことで何かあってからでは遅いかなーと……」
「だとしてもです!そもそもボス部屋に入ってるならどうやっても扉を開けることが出来ないから急いでいっても意味がないですよね?!田島さんはバカ強いからもしかしたら開けられるのかもしれませんけど、そんな無茶はして欲しくないですからね!?」
「……おっしゃる通りでございます」
頭を下げることしかできません。
今思えばミノタウロスが再出現してたらそれも相手にしなければならなかった。
俺は瞬殺出来るけど大学生には厳しいよなー。
反省
「……とりあえず昨日の話はここまでとします。支部長がお待ちですので移動しますよ」
「あ、まだあるんですか?昨日の件で呼び出しだと思ってました」
「……他にも言いたいことはありますけど?」
ジト目で福崎さんから睨まれてしまった。
やぶ蛇になりそうなのでお口チャックします……
「いやはや、休みに来ていただいて申し訳ないです。昨日の配信、聞きましたよー。また色々やらかしたって。流石は田島さんですな」
「そこまでやらかしてない気がしますけどねー。まだ中層のモンスターを食べてるだけですし」
「……それを言うと田島さんはなおのことEランクにいるのは不味い気がしますが。やはりランクアップ試験、受けてみませんか?」
「申し訳ありませんが、ランクに興味が無いので」
申し訳ないですが、却下です。
今のペースで満足してるからねー。
無理してあげてほかの探索者のヘイトなんて買うのはゴメンです。
長嶺さんと軽い雑談をして、本題に入る。
「一つ目は白川ダンジョンの氾濫は何とか発生前に抑えることが出来ました。田島さんの情報のお陰です。ありがとうございます」
「いえいえ、氾濫にならなかったことが一番ですから」
てっきりラノベ的な展開でおさえられなくて、自分に助けを求める的なことになるのかと身構えたけどそんなことはなかったようだ。
先の調査に入った探索者チームが原因を討伐したらしい。
モンスターとの戦闘があったらしいけど、『ドラゴンスター』『難波晴風』共に目立った被害はないそうだ。
流石ですなー。




