第336話 尋問
「ふぁああぁぁ……尋問は俺に任せてよぉ。明日も眠いからさっさと終わらせたいぃ」
「……おう、すまんな」
奥からでてきた保部に任せて後ろに下がる。
保部は魔法が強いからね!精神魔法とかも使えるからな。
「起きてくださーい……まずはあなたのお名前と出身または所属を教えて下さい」
「……ん。名前……ルーハン……ルーハン・ジェスカイ……イギリス……MI6……」
わーぉ、イギリスの諜報機関の名前じゃないですかー。
あれでしょ?ゼロゼロナインとか有名なやつですよね?
マジモンのスパイさんじゃないですかやだー。
「なるほどなるほど。ではルーハンさん、あなたの目的、任務は?」
「……目的……任務……アラタタジマの拘束……素材の奪取……」
「は?素材?」
「しっ!あーさん黙って!……なんの素材ですか?具体的に教えてください」
「……素材……死神……死神の血……冥王の力……赤い……深紅の石……」
まぁた瞳?そんな素材ないでしょ?
真っ赤な石なんて俺が持ってる訳……あったわ。
この前のエンペラーリッチの顔面からもぎ取った赤い石。
そういえば鑑定に出すって話になって忘れてたわ。
あれ、イギリスが脅してでも欲しがるほどのもんなの?
「……石……石を持って帰る……それが任務……交渉してダメなら……殺してでもアイテムバッグを持ち帰る……」
「……なるほど。他にチームは参加していますか?」
「……いない……俺のチームだけ……後方支援もない……単独任務……」
「ありがとうございます……ほか聞いとくことあるぅ?ついでに聞いておくけどぉ」
「いきなり口調が戻るなよ!じゃ石の使い道は?」
こんな石、何に使うんですかね?
エンペラーリッチなんて深層でもなかなかお目にかかれないレアモンスターではあるけど国が諜報機関まで使って集めるなんてよっぽどだよ。
「ルーハンさん。赤い石の使い道を教えてください。具体的に」
「……石……使い道……知らない……俺たちは……手に入れることが任務……その後は上が決めること……」
「だってよぉ」
デスヨネー。
予想通りの回答でしたわ。




